青いキャラクターが”描きやすい”といわれる理由

絵にまったく自信がなくても、青いキャラクターなら意外と一枚描けた、という声はよく聞かれます。まずは、なぜ青いキャラが初心者向けといわれるのかを整理してみましょう。

いちばんの理由は、形がシンプルなものが多いことです。丸や四角といった基本の形を組み合わせるだけで大まかな姿が取れるため、細かいデッサン力がなくても「それらしく」まとまりやすいのです。

青いキャラには、体がころんと丸かったり、輪郭がなめらかだったりするデザインが目立ちます。角ばった複雑な形が少ないぶん、鉛筆の一筆目を置きやすく、多少ゆがんでもかわいく見えるのが強みです。

次に、色選びで迷いにくい点があります。体を青一色で塗り進められるキャラが多く、何色を使おうか悩む時間が短くて済みます。青はクレヨンでも色鉛筆でも、たいていセットに入っている身近な色です。

さらに、塗る範囲が分かりやすいのも助けになります。体の大部分を青でまとめると、多少線からはみ出しても全体の印象がまとまりやすく、細かい失敗が目立ちにくくなります。

青は空や海、水といった身近なモチーフの色でもあります。子どもにとってもなじみが深く、「あの色だ」とイメージしながら塗れるので、手が動かしやすいのもうれしいところです。

青は気持ちが落ち着くと感じる人が多い色でもあり、描いていて心地よく、完成した絵に愛着がわきやすいのも続けやすさにつながります。まずは気楽な気持ちで向き合えるのが、青キャラの良いところです。

下の表は、描きやすいといわれる青いキャラを、形のタイプ別にざっくり分けたものです。自分が挑戦しやすそうなところから選んでみてください。

タイプ 形の特徴 描きやすさ こんな人に
まんまる系 丸が中心 ★★★ はじめての一枚に
ロボット・メカ系 四角+丸 ★★ 直線を引くのが好きな人に
動物・生きもの系 丸+耳やヒレ ★★ 少し慣れてきたら
しずく・スライム系 曲線ひとつ ★★★ とにかく手早く描きたい人に

どのタイプにも共通するのは、いきなり細部から描かず、大きな形から取っていくという点です。この記事では、その順番とコツをタイプ別にやさしく見ていきます。

描き始める前に覚えておきたいのは、絵は何度でも描き直せるということです。一枚目で気に入らなくても、二枚目、三枚目とくり返すうちに自然と形がつかめてきます。気負わず、練習のつもりで手を動かしてみましょう。

青は他の色ともけんかしにくく、背景に空や海をさっと描き足しても、まとまりのある一枚になりやすい色です。まずは主役の青キャラだけでも十分ですが、慣れたら周りの世界も広げてみましょう。

まんまる系:丸ひとつから始める青キャラ

まんまる系は、その名のとおり丸ひとつがベースになる、いちばん取りかかりやすいタイプです。まずは紙の中央に、大きめの丸をひとつ描くところから始めましょう。

丸がうまく描けないときは、コップやフタなど身近な円いものを型にして、ふちをなぞってもかまいません。きれいな丸が一発で取れると、その後の作業がぐっと楽になります。

フリーハンドで丸を描くなら、紙の上で数回ぐるぐると円を空描きして、手を慣らしてから本番の一筆を引くと安定します。手首ではなく、ひじを軸にすると大きな丸がなめらかになります。

丸を主役にするぶん、まわりのパーツは控えめにするのがバランスのコツです。大きな丸のかわいさを、小さな手足や目が引き立てるイメージで描いていきます。

丸の大きさは、紙の半分くらいを目安にすると、あとから手足や顔を描き込む余白を残せます。小さく描きすぎると細部が窮屈になるので、思いきって大きめに取りましょう。

まんまる系は、うまく描けなくても大きな失敗になりにくいので、その日のウォームアップにも向いています。まず一つ丸を描いて手を温めてから、ほかのキャラに進むのもおすすめです。

POINT まんまる系は「大きな丸を先に、小さなパーツは後から」の順で描くと、形が崩れにくく安定します。

体が丸いタイプ

体そのものが丸いタイプは、丸を胴体に見立て、そこへ手足をちょこんと足していきます。手足は細い棒のように短めに描くと、丸い体のかわいらしさが引き立ちます。

描く順番の目安は次のとおりです。番号どおりに進めれば、はじめてでも形になります。

  1. 中央に大きな丸を描く(体になる部分)
  2. 丸の下側に短い足を2本描く
  3. 丸の左右に小さな手を添える
  4. 顔のパーツ(目と口)を上のほうに置く
  5. 全体を見て、輪郭をなぞって整える

目は丸の中心よりやや上に、左右の間隔を広めにとると、あどけなくて親しみやすい表情になります。近づけすぎると大人っぽく、離すほど幼い印象になると覚えておきましょう。

手足の位置は、左右で高さをそろえると安定して見えます。慣れないうちは、うすい線で下描きをしてから濃い線でなぞると、失敗がぐっと減ります。

手の形は、まる・楕円・小さな三本指など、いくつか試してみると印象が変わります。難しく考えず、丸をちょこんと付けるだけでも十分にかわいく見えます。

慣れてきたら、丸い体に小さなしっぽや耳を足してみましょう。ひとつパーツを加えるだけで、同じ丸から別のキャラのように見えてくるのが楽しいところです。

顔が主役のタイプ

顔が大きく体が小さいタイプは、顔の丸を主役にして描きます。まず顔の丸を大きめに取り、その下にちょこんと小さな体を付けるイメージです。

パーツの配置で迷ったら、顔の丸にうすく十字の目安線を引いてみましょう。縦線と横線の交わりを基準にすると、目・鼻・口の左右バランスが取りやすくなります。

横線の少し下に目、中央あたりに鼻、その下に口を置くと、顔が間のびしません。目安線は最後に消しゴムで軽く消せば、仕上がりには残りません。

表情は目と口の形で大きく変わります。にっこりさせたいなら口を上向きのカーブに、驚いた顔なら口を小さな丸にするなど、パーツの形を少し変えるだけで印象が動きます。

ほっぺに小さな丸を足したり、まゆげの角度を変えたりすると、感情がぐっと伝わりやすくなります。同じ顔でパーツだけ描き分けて、笑い・驚き・眠そうな顔を並べてみるのも良い練習です。

顔の輪郭は、真円よりも少しだけ下ぶくれにすると、ほおのふっくら感が出て親しみやすくなります。ほんの少しの違いで印象が変わるので、いろいろな形を試してみましょう。

ロボット・メカ系の青キャラを描くコツ

ロボット・メカ系の青キャラを描くコツ

青いロボットやメカ風のキャラは、曲線よりも直線と四角が中心になります。まんまる系とは逆に、かっちりした形を意識すると”らしさ”が出ます。

フリーハンドで線が曲がってしまう場合は、定規を使ってもまったく問題ありません。まっすぐな線が引けるだけで、メカらしい硬質な雰囲気がぐっと増します。

メカ系は左右対称になっている部分が多いのも特徴です。中心に縦の目安線を1本引き、その線を挟んで左右を同じように描くと、バランスの取れた形になります。

色を塗る前の下描きの段階では、パーツをブロックのかたまりとしてとらえておくと、あとで細部を足しやすくなります。積み木を組み立てるようなイメージで、大きな箱から並べていきましょう。

メカらしさを出したいときは、アンテナ・ボタン・細いラインといった小さな記号を加えるのが近道です。ただし入れすぎるとごちゃつくので、数を絞って効かせるのがコツです。

四角と丸を組み合わせる

メカ系の基本は、四角い体に丸い関節やパーツを組み合わせることです。胴体は四角、頭は角丸の四角、腕や足の付け根は丸、というふうにパーツごとに形を決めておくと描きやすくなります。

それぞれのパーツを、どの基本形で描くか整理すると迷いません。目安は次のとおりです。

  • 頭:角を丸めた四角
  • 胴体:たての長方形
  • 肩・ひじ・ひざ:小さな丸
  • 腕・足:細い長方形
  • 手足の先:小さな四角や丸

描く順番の一例を挙げます。大きなパーツから決めていくのがポイントです。

  1. 胴体になる四角を描く
  2. その上に頭を乗せる
  3. 肩に丸を置き、そこから腕を伸ばす
  4. 腰の下に足を2本付ける
  5. ボタンや線などの細部を最後に足す

角を少し丸めるだけで、かたい印象がやわらぎ、子ども向けのやさしいメカになります。逆に角をとがらせるとシャープで強そうな雰囲気に近づきます。角の丸め方ひとつで表情が変わるので、いろいろ試してみましょう。

細かいボタンやパネルの線は、全体のバランスを見ながら最後に足すのがコツです。最初から細部を描き込むと全体の形が崩れやすいので、大きな四角と丸が決まってから加えましょう。

左右対称がずれていないか確かめたいときは、紙を裏から明かりに透かして見ると、左右の差に気づきやすくなります。気になる部分は下描きの段階で直しておきましょう。

直線が多いぶん、塗るときも面をはっきり分けると映えます。パーツごとに濃い青と薄い青を塗り分けると、立体感のあるメカに仕上がります。

子どもに人気の青キャラを親子で描く

子どもに人気の青キャラを親子で描く

お絵かきは、親子で一緒に楽しむと上達も早く、思い出にも残ります。上手か下手かは気にせず、まずは同じキャラを並んで描いてみるのがおすすめです。

子どもは大人の手元をよく見ています。「大きな丸から描くよ」「次は目だよ」と声をかけながら描くと、描く順番を自然に覚えていきます。

親が少しゆっくり描いて見せると、子どもは安心してまねできます。競争ではなく、一緒に完成を目指す時間として楽しみましょう。

机の上を片づけて、紙と画材だけを置くと、子どもも集中しやすくなります。汚れが気になるなら、下に新聞紙やチラシを敷いておくと安心です。

できあがった絵は、どちらが上手でも比べずに、それぞれの良いところをほめてあげると、次も描きたい気持ちにつながります。

未就学児でも描けるシンプルさ

未就学のお子さんには、パーツが少なく大きく描けるキャラが向いています。丸ひとつに目と口だけ、といったシンプルな形なら、小さな手でも達成感を得やすいです。

紙は大きめ、画材は握りやすい太めのクレヨンを選びましょう。細かく描かせようとせず、のびのびと大きく描かせるのがいちばんです。

クレヨンをうまく握れないときは、大人がそっと手を添えて、丸を描く動きを一緒になぞってあげると感覚がつかめます。上達を急がず、描く動き自体を楽しませてあげましょう。

色は多少はみ出しても気にしないのが、親子で楽しむコツです。「きれいに塗れたね」より「たくさん塗れたね」と声をかけると、お絵かきそのものを好きになってくれます。

小さな子は集中が続く時間も短めです。飽きてきたら無理に続けさせず、一枚描けたところで気持ちよく切り上げると、また描きたくなります。

できあがったら、日付と名前を書いて残しておくと成長の記録になります。冷蔵庫や壁に貼れば、本人のやる気にもつながります。

小学生が挑戦しやすい少し複雑な形

小学生になると手先が器用になり、少し複雑な形にも挑戦できます。四角と丸を組み合わせたメカ系や、耳やヒレのある生きもの系もおすすめです。

この年代では、下描きの習慣をつけると絵が安定します。うすい線でざっと形を取り、良ければ濃くなぞる、という二段階を教えてあげましょう。

バランスの取り方として、顔と体の大きさの比率を最初に決めると全体がまとまります。頭を大きめにするとかわいく、小さめにすると大人っぽい印象になります。

手本を見ながら描くときも、線を1本ずつまねするより、大きな形からとらえるほうが早く上達します。全体の形をつかんでから細部に進む意識を持たせましょう。

形がとれるようになったら、色や模様を自分なりに変えるアレンジに挑戦してみましょう。同じ形から自分だけの一枚を作る楽しさが、次の意欲につながります。

うまく描けた一枚は、日付を入れてファイルにためていくと、あとで見返したときに上達が実感できます。小さな達成の積み重ねが自信になります。

青の塗り方で”それっぽさ”を出す

形が取れたら、いよいよ塗りです。同じ輪郭でも、塗り方しだいで仕上がりの印象は大きく変わります。

青は明るい水色から濃い紺色まで、とても幅の広い色です。1本の青でも、力の入れ方を変えるだけで何段階もの表情を出せます。

塗り始める前に、どこを明るくしてどこを暗くするか、頭の中で軽くイメージしておくと迷いません。光の向きをひとつ決めておくのがおすすめです。

本番の紙に塗る前に、はしっこや別紙で試し塗りをしておくと、色の濃さや発色を確かめられます。ひと手間ですが、塗り始めてからの「思っていた色と違う」を防げます。

広い面から塗り、細かい部分は後に回すと、全体のムラを抑えやすくなります。あわてず、大きなところから進めましょう。

濃淡のつけ方

濃淡をつける基本は、光が当たる明るいところを塗り残し、影になるところを濃く塗ることです。全部を同じ濃さで塗るより、ぐっと立体的に見えます。

クレヨンや色鉛筆なら、力の入れ加減で濃さを調整します。軽くなでるように塗ると薄く、ぐっと押し当てると濃くなります。

影になりやすいのは、体の下側やパーツの重なる部分です。丸い体なら下のほうを少し濃くするだけで、ころんとした立体感が出ます。

濃い色を作りたいときは、一度で濃く塗ろうとせず、薄い色を何度か重ねるときれいです。一気に濃く塗ると紙が傷んでムラになりやすいので、少しずつ重ねましょう。

薄いところから濃いところへ、少しずつ力を強めながら塗ると、なめらかなグラデーションになります。色の境目をこすってぼかすと、さらに自然につながります。

明るい部分は、丸い体なら中央より少し上あたりを丸く塗り残すと、つやが出て生き生きとして見えます。この一手間で”それっぽさ”がぐっと増します。

POINT 「明るいところを塗り残す」を意識するだけで、平べったい絵が立体的に見えてきます。

はみ出しを味方にする

初心者がいちばん気にするのが、線からのはみ出しです。けれど、はみ出しは失敗とは限りません。考え方しだいで味方になります。

ひとつの方法は、輪郭線を先に濃くはっきり描いておくことです。太めの輪郭があると、多少中の色がはみ出しても、輪郭が絵全体を引き締めてくれます。

もうひとつは、あえて全体をラフに塗って、手描きの温かみとして楽しむことです。きっちり塗ることだけが正解ではありません。

どうしても気になるところは、輪郭の内側を先にていねいに塗り、中央をざっくり塗ると、はみ出しが減ります。「ふちどりを先に」を合言葉にしてみてください。

大きくはみ出してしまっても、そこを新しい模様や背景に見立ててしまう手もあります。青いしぶきや水玉として生かせば、失敗が味のあるアレンジに変わります。

お絵かきをもっと楽しむ道具とアイデア

お絵かきをもっと楽しむ道具とアイデア

特別な道具がなくても絵は描けますが、自分に合った画材があると、お絵かきの楽しさはぐっと広がります。

ここでは、青いキャラを描くときにそろえておくと便利な道具と、もっと楽しむためのアイデアを紹介します。

大切なのは、高い道具をそろえることではなく、自分が使っていて楽しい画材を見つけることです。まずは家にあるものから気軽に始めましょう。

使ううちに「もっと細かく塗りたい」「広い面をきれいに塗りたい」といった希望が出てきたら、そのとき買い足していけば十分です。

画材は使ったら決まった場所に片づけると、次に描きたくなったときすぐに始められます。すぐ手が届くところに一式まとめておくのがおすすめです。

そろえておきたい画材

まず基本になるのが、クレヨン・色鉛筆・水性ペンです。それぞれ塗り心地や仕上がりが違うので、用途に合わせて選びます。

下の表に、代表的な画材の特徴をまとめました。目的に合わせて組み合わせてみてください。

画材 特徴 向いている使い方
クレヨン 太くて塗りやすい 小さな子の広い塗り
色鉛筆 濃淡がつけやすい 細かい部分・重ね塗り
水性ペン 発色が鮮やか 輪郭線をはっきりさせる
絵の具 広い面をムラなく塗れる 背景やポスター風の仕上げ
消しゴム 下描きを消せる 仕上げの調整

青系は、水色・青・紺と濃さ違いで数本そろえておくと、濃淡がつけやすくてとても便利です。1本しかない場合でも、力加減で明暗を出す工夫をしてみましょう。

紙は、クレヨンなら少し厚手のもの、色鉛筆ならなめらかなものが塗りやすいです。まずは家にある画用紙やコピー用紙から始めて大丈夫です。

そろえる順番に迷ったら、まずは太めのクレヨンと画用紙の2つから始めるのがおすすめです。物足りなくなったら、濃淡をつけやすい色鉛筆を足していくと無理がありません。

輪郭をはっきりさせたいときは、細めと太めの水性ペンが1本ずつあると便利です。太めで外側の輪郭、細めで顔のパーツ、と描き分けると仕上がりが締まります。

描いた青キャラは、飾ったり贈ったりするとさらに楽しくなります。たとえば、次のようなアイデアがあります。

  • 厚紙に貼ってメッセージカードや栞にする
  • 家族それぞれが描いた青キャラを並べて飾る
  • 雨や海、空など青いテーマの絵に登場させる
  • オリジナルの名前や設定を考えてみる

楽しむときは、他人が作ったキャラクターをそのまま販売・配布するのは避け、練習や家庭で楽しむ範囲にとどめるのが安心です。オリジナルの色やパーツを足せば、まねから一歩進んだ自分だけの一枚になります。

まとめ:気軽に一枚描いてみよう

青いキャラクターが描きやすいのは、丸や四角の基本形でできていて、色選びに迷わず、多少のはみ出しも目立ちにくいからでした。

描くときは、いきなり細部から入らず、大きな形から取っていくのが共通のコツです。まんまる系なら丸ひとつから、メカ系なら四角と丸の組み合わせから始めましょう。

塗りでは、明るいところを塗り残して濃淡をつけると、ぐっと”それっぽく”仕上がります。うまくいかなくても、手描きの味として楽しむ気持ちが上達への近道です。

親子で描くときは、上手か下手かより「描けた」という達成感を大切にしましょう。声をかけ合いながら同じキャラを並んで描く時間そのものが、良い思い出になります。

上達のいちばんの近道は、少しずつでも描き続けることです。一日一枚、落書きのように気軽に描くだけでも、手はどんどん形を覚えていきます。

特別な道具がなくても、家にあるクレヨンや色鉛筆で今日から始められます。まずは肩の力を抜いて、青いキャラを一枚、気軽に描いてみてください。