豚バラ大根の基本の作り方と全体の流れ
豚バラ大根は、豚バラ肉と大根を調味料で煮るだけの家庭料理で、料理に慣れていない方でも失敗しにくい一品です。
この記事では、大根の下茹ではいるのか、どうすれば味がしみるのか、何分くらい煮ればよいのかを、順番に整理してお伝えします。
先に結論をまとめると、大根は軽く下茹でし、豚バラは焼いて脂をふき取り、煮たあとに火を止めて置くと、家族が食べやすい味にまとまりやすくなります。
難しい技は使わず、ふだんの台所にある道具と調味料で進められる方法に絞りました。
平日の夕食づくりでは、子どもの相手をしながら鍋を見ることも多いと思います。
そのため「ずっと付きっきりにならなくてよい工程」を中心に紹介していきます。
まずは材料と調味料の目安を確認し、全体の流れを頭に入れてから台所に立つと、途中で迷いにくくなります。
豚バラ大根は、肉の脂のうま味と大根の淡白な味わいが組み合わさる料理です。肉じゃがや筑前煮のように具材の種類が多くないため、買い物の負担が軽く、冷蔵庫に大根と豚バラがあれば始められるのも続けやすい理由です。
調理にかかる時間は、下ごしらえから煮上がりまでで合計1時間前後が目安です。ただし、実際に手を動かす時間は15分ほどで、残りは鍋に任せておける時間です。この「手が空く時間」にご飯の準備や洗濯物の片づけを進められるのが、煮物のよいところです。
初めて作る方が不安に感じやすいのは「味つけが濃すぎないか」「大根が固いまま残らないか」「豚バラが脂っぽくならないか」の3点です。この記事では、その3つの不安に一つずつ答える形で説明していきます。
材料と調味料の目安(3〜4人分)
大根は1本まるごとではなく、半分ほどの量で十分です。
豚バラ肉は薄切りを使うと火が通りやすく、大根にもなじみやすくなります。
| 材料 | 分量の目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 大根 | 約600〜800g(太い部分の半分ほど) | 葉に近い側は甘みがあり、先の側はやや辛みがあるといわれます |
| 豚バラ薄切り肉 | 250〜300g | 4〜5cm幅に切っておきます |
| しょうが | 1かけ | 薄切りにします。チューブでも代用できます |
| ごま油 | 小さじ1 | 肉を焼くときに使います |
| 水 | 400ml | 大根が頭を出すくらいが目安です |
調味料は、覚えやすい割合でそろえておくと、次に作るときも迷いません。
| 調味料 | 分量 |
|---|---|
| しょうゆ | 大さじ3 |
| みりん | 大さじ3 |
| 酒 | 大さじ3 |
| 砂糖 | 大さじ1 |
| 和風だしの素(顆粒) | 小さじ1 |
水400mlに対して、しょうゆ・みりん・酒を3:3:3で合わせ、砂糖を少し足す、と覚えておくと便利です。
甘めの味つけが好きなご家庭は砂糖を大さじ1と1/2に、薄味が好みなら、しょうゆを大さじ2と1/2に減らして調整してみてください。
お子さんが食べる場合は、最初は基本の分量で作り、2回目以降に家族の好みへ寄せていく進め方が安心です。
- 大根の皮は厚めにむくと、口当たりがやわらかく仕上がります
- 豚バラは冷蔵庫から出して少し置くと、焼くときにくっつきにくくなります
- 鍋は直径20〜24cmほどの、深さのあるものが使いやすいです
豚バラ肉は、売り場で「薄切り」「しゃぶしゃぶ用」「ブロック」などさまざまな形で並んでいます。この料理には、厚さ2〜3mmほどの薄切りが扱いやすく、短い時間で火が通ります。ブロック肉を使うと食べごたえは増しますが、その場合は煮込み時間を1時間以上に延ばす必要があり、別の料理に近くなります。
大根は、購入するときに持ってみて、ずっしり重いものを選ぶと、みずみずしいものに当たりやすいといわれます。切り口がある場合は、すが入っていないか、白くきれいかを確認してみてください。葉つきのものは、葉の付け根が緑で元気なものが新しい目安です。
調味料の「みりん」は、本みりんでもみりん風調味料でも作れます。ただし、本みりんの方が甘みにまろやかさが出やすく、みりん風調味料を使う場合は甘さがやや控えめに感じられることがあります。味見をして、砂糖の量で調整してください。
和風だしの素は、顆粒のかつおだしや昆布だしなど、ふだん使っているもので問題ありません。商品によって塩分が異なるため、塩分が高めのだしを使う場合は、しょうゆを少し減らすと全体のバランスがとりやすくなります。
材料を量るときは、計量スプーンをすりきりで使うのが基本です。大さじ1は15ml、小さじ1は5mlです。山盛りにすると思った以上に味が濃くなるので、最初のうちは丁寧に量る習慣をつけておくと、再現しやすくなります。
あると便利な道具もまとめておきます。
- キッチンペーパー:焼いた脂をふき取る、落としぶたの代わりにするなど用途が広いです
- 竹串または箸:大根のやわらかさを確かめるときに使います
- 落としぶた:なければアルミホイルやクッキングシートで代用できます
- ピーラー:大根の皮むきと、面取りの代わりに使えます
手順は4ステップ:切る・焼く・煮る・置く
全体の流れは「切る・焼く・煮る・置く」の4ステップです。
どの工程にも目的があるので、意味を知っておくと応用もしやすくなります。
- 切る:大根を2cm厚の半月切りかいちょう切りにし、面取りをします。豚バラは4〜5cm幅に切ります。
- 焼く:鍋にごま油を熱し、豚バラを焼きつけます。出てきた脂は、キッチンペーパーでふき取ります。
- 煮る:下茹でした大根、水、調味料、しょうがを加え、ふたをして弱めの中火で20〜30分ほど煮ます。
- 置く:火を止めて、そのまま30分ほど置きます。食べる直前に温め直します。
「置く」の工程は、つい飛ばしたくなりますが、味しみに大きく関わる部分です。
夕食の時間から逆算して、早めに火を止めておくと、ほかのおかずを作る余裕もできます。
煮ている間は、アクが浮いてきたら軽くすくう程度で十分です。
何度もかき混ぜると大根が崩れやすくなるので、煮ている間はなるべくさわらないのがコツです。
ここまでが全体像です。
次の章から、特に迷いやすい「下茹で」と「味しみ」について、一つずつ詳しく見ていきます。
実際の段取りがイメージしやすいように、夕食を18時30分に食べる場合のタイムスケジュール例を挙げます。
| 時刻の目安 | やること |
|---|---|
| 17:00 | 大根を切って面取りし、下茹でを始める(約15分) |
| 17:15 | 豚バラを切り、鍋で焼いて脂をふき取る |
| 17:25 | 大根・水・調味料・しょうがを入れ、ふたをして煮る(約25分) |
| 17:50 | 火を止めて、ふたをしたまま置く |
| 18:20 | 弱火で温め直し、器に盛る |
このように、実際にコンロの前で作業するのは前半の30分ほどで、そのあとは放っておける時間が続きます。この空いた時間に、汁物や副菜を用意すれば、献立全体がスムーズに整います。
「切る」の工程では、まな板の上で大根と豚バラを同時に扱わないよう、生肉を切る順番を最後にすると、洗い物や衛生面で楽になります。大根を先に切り、そのあと豚バラを切って、すぐ鍋に入れるという流れが効率的です。
「焼く」の工程では、豚バラをいきなり鍋へ重ねて入れず、1枚ずつ広げるように入れると、焼きムラが出にくくなります。肉同士がくっついてしまった場合は、菜箸でほぐしながら焼いてください。表面の色が変わり、端が少し縮んでくるころが次に進む合図です。
「煮る」の工程では、最初に強めの火で沸騰させ、沸いたら弱めの中火に切り替えます。ふたは少しだけずらしておくと、吹きこぼれを防ぎつつ、煮汁が適度に蒸発します。落としぶたを使う場合は、鍋のふたはせず、落としぶたの上から軽くかぶせる程度で構いません。
「置く」の工程では、火を止めたあとの鍋は思った以上に熱いままです。鍋つかみを使い、小さなお子さんの手が届かない場所に置いてください。
よくある失敗と、その見直しポイントも整理しておきます。
| 困りごと | 考えられる原因 | 見直しのポイント |
|---|---|---|
| 大根の中心が固い | 厚く切りすぎた、煮込み時間が短い | 2cm厚にそろえ、下茹でで竹串が通るまで火を入れる |
| 味が薄く感じる | 煮てすぐ食べた、水が多すぎた | 火を止めて置く時間をとり、水は大根が頭を出す程度にする |
| 味が濃すぎる | 煮詰めすぎた、調味料を山盛りで量った | 弱火で煮て、すりきりで計量する |
| 大根が崩れた | 強火で煮た、何度もかき混ぜた | 面取りをして、煮ている間はさわらない |
| 脂っぽい | 焼いたあとの脂をふき取っていない | キッチンペーパーで脂をふき取る |
失敗しても、多くの場合は煮汁の量や火加減の調整で立て直しができます。味が薄ければ煮汁を少し煮詰め、濃ければ水やだしを足して温め直すだけで、ずいぶん食べやすくなります。
▶ 動画で確認:料理研究家が教える豚バラ大根
料理研究家のコウケンテツさんが、大根300gと豚バラ150gで作る味しみの豚バラ大根を、下ごしらえから実食まで8分で見せる動画です。作り方の全体像をつかめるので、流れを説明する冒頭の節に置きます。
出典:Koh Kentetsu Kitchen【料理研究家コウケンテツ公式チャンネル】「【100万回再生人気レシピ!】短時間で簡単味しみ!ご飯がモリモリすすむ!豚バラ大根の作り方」(YouTube・約8分)
大根の下茹でと味をしみ込ませるコツ

豚バラ大根が「思ったより味がしみていない」「大根が固い」と感じる原因の多くは、大根の下ごしらえと火の入れ方にあります。
この章では、下茹でをするかどうか、切り方、冷ます時間の3点に分けて説明します。
どれも特別な道具は要らず、少し意識するだけで仕上がりが変わりやすい部分です。
大根は水分の多い野菜で、全体の90%以上が水分だといわれています。そのため、煮汁の味が入りにくい面があり、一方で火が通ると繊維がほぐれて、煮汁を含みやすくなります。この性質を知っておくと、下茹でや冷ます時間が必要な理由が理解しやすくなります。
ここで紹介する方法は、あくまで家庭料理で広く知られている目安です。大根の個体差やコンロの火力で仕上がりは変わるため、「こうしなければならない」というより、「困ったときの選択肢」として読んでいただければと思います。
下茹では必要?省いてもいい場合
結論からいうと、大根の下茹では「した方が失敗しにくい」工程です。
下茹でをすると、大根の中心まで火が通りやすくなり、煮込み時間を短くできると紹介されています。
また、大根特有のえぐみやにおいがやわらぐという声もあり、お子さんが食べやすい味に近づきます。
下茹での方法は、次のとおりです。
- 鍋に切った大根とかぶるくらいの水を入れます。
- 米のとぎ汁があれば、水の代わりに使います。
- 中火にかけ、沸いたら弱めて10〜15分ほど茹でます。
- 竹串がすっと通ったら、ざるにあげて軽く水気を切ります。
米のとぎ汁は、大根のえぐみがやわらぎやすいとして、昔から使われてきた方法です。
ただし、とぎ汁がない日は、水だけでも問題なく作れます。
そのときは、水に米を大さじ1ほど入れて茹でる方法もあります。
では、下茹でを省いてもよいのはどんな場合でしょうか。
| 状況 | 下茹での目安 |
|---|---|
| 時間に余裕があり、じっくり煮られる | 省いても作れます(煮込みは40分前後) |
| 新大根など、みずみずしくやわらかい大根 | 省きやすいといわれます |
| 電子レンジを使いたい | 耐熱容器に入れ、ラップをして5〜6分加熱する方法もあります |
| 初めて作る、または小さなお子さんが食べる | 下茹でをする方が安心です |
電子レンジを使う場合は、加熱の時間が機種で違うため、様子を見ながら調整してください。
初めて作る方は、まず下茹でありで一度作ってみると、基準の仕上がりがつかめます。
そのうえで、次回から時間や手間に合わせて、省く日と省かない日を選ぶとよいでしょう。
下茹でをするときに迷いやすいのが、茹でる時間の見極めです。10分たったら必ず終わりというわけではなく、竹串を刺したときの感触で判断します。抵抗なくすっと入れば十分で、少し抵抗が残るくらいなら、このあと本番の煮込みでやわらかくなるので、茹ですぎないことが大切です。
茹ですぎると、煮込みの段階で大根が崩れやすくなります。逆に茹で足りないと、煮込み時間を延ばさなければならなくなります。「竹串がやっと通るくらい」で引き上げるのが、ちょうどよい目安です。
電子レンジで下ごしらえをする場合は、大根を耐熱容器に並べ、水大さじ2ほどをふってふんわりラップをかけます。加熱後はそのまま少し置いて、余熱で火を通すと、ムラが少なくなります。容器やラップが熱くなっているので、取り出すときはやけどに注意してください。
下茹でをした場合としない場合の違いを、実際の使い勝手の面から比べてみます。
| 比べる点 | 下茹でありの場合 | 下茹でなしの場合 |
|---|---|---|
| 全体の所要時間 | 下茹で15分+煮込み25分 | 煮込み40分前後 |
| 手間 | 鍋が1つ増え、洗い物も増える | 鍋1つで完結する |
| 大根の状態 | 火の通りが均一になりやすい | 大根の厚みによりムラが出やすい |
| においや苦み | やわらぎやすいといわれる | 大根によっては残ることがある |
| 向いている場面 | 初めて作る日、子ども向けの日 | 時間に余裕があり、鍋を1つにしたい日 |
洗い物を減らしたい方は、下茹でに使った鍋で、そのまま豚バラを焼いて煮込む方法もあります。ざるにあげたあと鍋を軽く拭き、ごま油を入れて肉を焼けば、鍋を1つで済ませられます。
大根の切り方と面取りで煮崩れを防ぐ
大根は、切り方によって味のしみ方と食べやすさが変わります。
基本は、厚さ2cm前後の半月切りか、いちょう切りです。
厚すぎると中心まで味が届きにくく、薄すぎると煮崩れやすくなります。
お子さんが食べる場合は、少し小さめにするとよいでしょう。
切ったあとは、角を薄く削る「面取り」をしておくと、煮ている間に角がぶつかって崩れるのを防げます。
面取りは、包丁で角を軽くそぐだけで構いません。
難しく感じる場合は、ピーラーで角を軽くなでる方法でも代用できます。
さらに、味しみをよくするための工夫として、次の方法が紹介されています。
- 切った面の片側に、浅く十字の切り込みを入れる(隠し包丁)
- 大きさをそろえて切り、火の通りを均一にする
- 皮は厚めにむき、筋の部分を残さない
隠し包丁は、切り込みから調味料が入りやすくなるといわれる、昔ながらの方法です。
手間に感じるときは、省いても作れるので、できる範囲で取り入れてみてください。
大きさをそろえるだけでも、仕上がりの差は感じやすくなります。
切り方ごとの特徴を比べてみましょう。どれが正解ということはなく、食べる人や好みで選べます。
| 切り方 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 半月切り(2cm厚) | 食べごたえがあり、見た目もきれい | 大人も食べる普段の夕食 |
| いちょう切り(1.5〜2cm厚) | 小さめで火が通りやすく、味がなじみやすい | 子どもがいる家庭、時間を短縮したい日 |
| 輪切り(2.5〜3cm厚) | どっしりした見た目で、ふろふき大根に近い食感 | おもてなしや、大根の食感を楽しみたい日 |
| 乱切り | 断面が広く、煮汁がふれる面が増える | 形にこだわらず、手早く切りたい日 |
輪切りにする場合は、厚みがある分、下茹での時間を少し長めにとる必要があります。また、丸い形が崩れにくい反面、中心に味が入るまでに時間がかかるため、火を止めて置く時間をしっかりとると食べやすくなります。
皮のむき方にもコツがあります。大根の皮のすぐ下には繊維の層があり、薄くむくだけだと、煮てもこの部分が口に残りやすいことがあります。皮は2〜3mmほどの厚みでむくと、煮上がりの口当たりがなめらかになります。むいた皮は捨てずに、きんぴらや漬物に使う方法もあります。
面取りは、慣れないうちは大根を手にのせ、包丁を斜めに当てて、角をひと筆なぞるように落とします。力を入れすぎず、削る厚みは1〜2mmで十分です。ピーラーを使う場合は、断面の円周に沿って軽く滑らせます。
隠し包丁を入れる際は、大根を切った断面のうち、煮汁にふれやすい面に入れます。深さは大根の厚みの1/3ほどにとどめ、反対側まで切り離さないよう注意してください。包丁を使うときは、指を切らないよう、反対の手は猫の手にして丁寧に進めます。
大根は部位によって性質が異なるといわれます。葉に近い上の部分は甘みが強く、やわらかいので煮物に向いています。真ん中の部分は、バランスがよく、豚バラ大根に使いやすい部位です。先端に近い部分は辛みがあり、おろしや味噌汁に回すと使いやすいです。1本をまるごと使うときは、上と真ん中を煮物にし、先端はほかの料理に使うと無駄が出ません。
火を止めて冷ます時間で味がしみる
味をしみ込ませるうえで、いちばん大切なのは「煮ている間」よりも「火を止めたあと」だといわれています。
煮ているときは、煮汁が大根の中へ動きにくく、温度が下がる間に味が入りやすくなると説明されることが多いです。
そのため、煮上がったらすぐに食べず、火を止めてふたをしたまま30分〜1時間置くのがおすすめです。
夕食の1時間ほど前に煮はじめ、いったん火を止めて置いておけば、食べる直前に温め直すだけで済みます。
忙しい日の段取りとしても、無理がありません。
置いている間は、次の点に気をつけてください。
- ふたはしたままにして、温度が急に下がらないようにする
- 煮汁が少なければ、大根が煮汁に浸かるよう、ときどき上下を返す
- 夏場など室温が高い日は、長時間そのままにしない
特に暑い季節は、室温に長く置きすぎないように注意してください。
2時間以上置きたいときは、粗熱がとれたら冷蔵庫に移しておく方法が安心です。
冷蔵庫で冷やした豚バラ大根は、煮汁がなじんで、翌日さらに味がしみているという声もあります。
食べるときは、鍋に移して弱火で温め直すだけで、おいしく食べられます。
火を止めて置く時間は、季節や室温で調整するとよいでしょう。目安を表にまとめます。
| 季節・状況 | 置く時間の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 冬(室温が低い) | 30分〜1時間 | ふたをしておけば冷めにくい |
| 春・秋 | 30分前後 | 長く置くときは冷蔵庫に移す |
| 夏(室温が高い) | 粗熱がとれるまで | 早めに冷蔵庫へ移し、食べる前に温め直す |
| 翌日に食べる | 一晩(冷蔵庫) | 保存容器に煮汁ごと入れる |
置いている間に、大根の色が少しずつ茶色く染まっていきます。これは煮汁が大根にしみてきたサインのひとつです。切り分けてみて、断面の中心近くまで色がついていれば、十分になじんでいると判断できます。
もし置く時間が十分にとれず、すぐに食べたい日は、煮汁を少し煮詰めて濃いめにし、大根にからめるようにして仕上げる方法もあります。ただし、この場合は味が表面に偏りやすいので、最初から味しみを重視する日は、段取りを組んで置く時間を確保するのがおすすめです。
温め直すときは、強火にせず、弱火でゆっくり温めます。強火にすると煮汁が急に煮詰まり、塩気が強くなったり、大根が崩れたりすることがあります。温め直しの途中で煮汁が減っていたら、水を大さじ2〜3ほど足してください。
食べる前に鍋の中を軽く返し、上にあった大根と下にあった大根の位置を入れ替えると、煮汁の濃さがならされます。このとき、大根が崩れないよう、菜箸ではなく鍋を軽くゆすったり、お玉でそっと返したりするのがコツです。
▶ 動画で確認:プロの下茹でと薄切り大根の実演
和食店「賛否両論」の笠原将弘さんが、大根を約1cm厚の半月切りにして水から10分ほど下茹でし、味をしみやすくする手順を実演します。下茹でと切り方のコツを扱うこの節の内容と合うため、ここに置きます。
出典:【賛否両論】笠原将弘の料理のほそ道「プロが本気で作る!厚切り肉で食べ応え抜群【豚バラ大根】」(YouTube・約19分)
豚バラの脂っぽさを抑えて仕上げるには

豚バラ大根は、豚バラのうま味が大根にうつる反面、脂が多くて「重たい」と感じる方もいます。
家族みんなが食べやすい味にするには、脂の扱い方が大切なポイントです。
この章では、脂をふき取る手順と、煮込み時間、フライパンで作る方法を紹介します。
どれも少しの手間でできるので、気になる方はぜひ取り入れてみてください。
豚バラ肉は、赤身と脂身が層になっている部位で、その脂身のうま味が煮物のコクにつながります。脂を完全に取り除いてしまうと、物足りない味になることもあるため、「ふき取りすぎない」ことも大切な視点です。
食べる人の年齢や好みによって、ちょうどよい脂加減は異なります。小さなお子さんや、年配の方がいるご家庭では脂をやや多めにふき取り、しっかりした味が好きな方がいる場合は、少し残す、というように調整してみてください。
焼いて出た脂をふき取る
脂っぽさを抑える基本は、豚バラを煮る前に、いったん焼いて脂を出すことです。
鍋にごま油を熱し、豚バラを広げて入れ、中火で表面に軽く焼き色がつくまで焼きます。
焼いている間に脂がたくさん出てくるので、キッチンペーパーでふき取ります。
ふき取るときは、やけどをしないよう、トングや菜箸でペーパーを持つと安全です。
お子さんがそばにいる場合は、熱い鍋やペーパーに近づかないよう、キッチンの位置に気をつけてください。
脂をふき取る量は、鍋底に薄く残る程度が目安です。
すべてふき取ってしまうと、うま味まで減ってしまうので、少し残しておくと、コクが出やすくなります。
ほかにも、脂を抑える方法はいくつかあります。
| 方法 | やり方 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 焼いてふき取る | 煮る前に出た脂をペーパーで吸う | 基本としておすすめ |
| 湯通しする | 熱湯にさっとくぐらせてから使う | さらに軽くしたい人 |
| 冷やして脂を取る | 煮たあと冷蔵庫に入れ、固まった脂をすくう | 作り置きにする人 |
| しょうがを加える | 薄切りを一緒に煮る | においが気になる人 |
湯通しをすると、脂とともにうま味も少し抜けるため、味つけをやや濃いめにするとバランスがとれます。
冷蔵庫で冷やす方法は、白く固まった脂をスプーンですくえるので、見た目にも変化がわかりやすいです。
しょうがは、肉のにおいがやわらぎやすいとして、昔からよく使われます。
焼くときの火加減にも気を配りましょう。強火で一気に焼くと、表面だけが焦げて中の脂が出きらないことがあります。中火でじっくり焼き、肉の端がカリッとして、鍋底に透明な脂がたまってきたら、ふき取りのタイミングです。
キッチンペーパーでふき取るときは、鍋を傾けて脂を片側に集めると、ペーパーに吸わせやすくなります。ペーパーは2〜3枚を重ねて使うと、熱さが手に伝わりにくく、吸収力も上がります。ふき取り終わったペーパーは、そのままごみ箱に捨てず、冷めてから捨てるようにすると、安全面でも安心です。
注意したいのは、鍋に残った脂を、流し台に直接流さないことです。冷えると固まって排水管の詰まりの原因になることがあります。ペーパーに吸わせて、燃えるごみとして処分してください。
湯通しをする場合は、沸騰した湯に豚バラを入れ、肉の色が変わったらすぐにざるにあげます。茹でるのではなく「さっとくぐらせる」程度で十分です。そのあと水気をよくふき取ってから鍋に入れると、油はねを防げます。
焼き色をつけるかどうかで、仕上がりの味わいも変わります。焼き色をしっかりつけると香ばしさが出て、コクのある仕上がりになります。一方、焼き色をつけすぎず、肉の色が変わる程度にとどめると、あっさりとした上品な味わいに近づきます。ご家庭の好みで選んでください。
脂を抑えたい日に、最後にもうひと手間加えるなら、煮上がりの煮汁の表面に浮いた脂を、おたまやキッチンペーパーですくう方法があります。ペーパーを煮汁の表面にそっとのせると、浮いている脂だけがペーパーに吸われます。
煮込み時間の目安とフライパンで作る場合
煮込み時間は、下茹でをした場合、ふたをして弱めの中火で20〜30分が目安です。
下茹でを省く場合は、40分前後かけて、大根がやわらかくなるまで煮ます。
竹串や箸を刺して、すっと通れば煮上がりのサインです。
強火で煮すぎると、煮汁が先に減って焦げたり、大根が崩れたりしやすくなります。
ぐつぐつ沸き続けるのではなく、小さな泡がゆっくり出る程度の火加減を保ってください。
鍋がなくても、フライパンで作ることはできます。
ふた付きの深めのフライパンなら、鍋と同じように煮られます。
フライパンで作るときのポイントは、次のとおりです。
- 大根を重ねず、できるだけ平らに並べる
- 水の量は、大根が半分ほど浸かる程度から始め、煮汁が足りなければ足す
- 落としぶた代わりに、アルミホイルやクッキングシートを煮汁に直接かぶせる
- 途中で一度、大根の上下を返す
フライパンは底面が広いため、煮汁が減るのが鍋より早くなります。
焦げつきが心配なときは、時々のぞいて煮汁の量を確かめてください。
落としぶたをすると、少ない煮汁でも全体に味がまわりやすくなります。
煮込み時間の目安を、状況別にまとめました。
| 状況 | 煮込み時間の目安 |
|---|---|
| 下茹でした大根(鍋) | 20〜30分 |
| 下茹でしない大根(鍋) | 40分前後 |
| 下茹でした大根(フライパン) | 15〜25分 |
| レンジで加熱した大根 | 15〜20分 |
これはあくまで目安で、大根の太さや鍋の大きさ、火力によって変わります。
時間どおりに煮るよりも、大根のやわらかさを確かめながら進める方が、失敗が少なくなります。
煮上がったら、前の章で紹介したとおり、火を止めて置いておくと、味がなじみます。
煮込み中の火加減は、IHヒーターとガスコンロで感覚が異なります。ガスコンロの場合は、炎が鍋底にふれない程度の「弱めの中火」が目安です。IHの場合は、機種によって火力の目盛りが違うため、「3〜4」「中火」などの表示を、様子を見ながら調整してください。煮汁の表面が静かにゆれる程度であれば、ちょうどよい状態です。
圧力鍋を持っている場合は、煮込みの時間を大幅に短縮できます。下茹でした大根と調味料を入れ、加圧5〜8分ほど、そのまま自然に圧が下がるのを待つ方法もあります。ただし、機種ごとに使い方と最大の容量が決まっているため、必ず取扱説明書にしたがってください。
炊飯器を使った調理を紹介するレシピもありますが、機種によっては煮物に対応していないものもあります。ご自身の炊飯器の説明書で、調理が可能かどうかを確認してからにしてください。
煮込んでいる途中で煮汁が足りなくなった場合は、水を少しずつ足します。このとき、冷たい水を一度にたくさん入れると、温度が下がって煮込み時間が延びるため、大さじ2〜3ずつ様子を見ながら加えるのが安全です。
逆に、煮汁が多すぎて味がぼやけてしまう場合は、ふたを外して中火で煮詰めます。煮詰めている間は、焦げないよう鍋のそばを離れず、ときどき鍋をゆすって全体に煮汁をなじませてください。
仕上げに、小口切りにした青ねぎや、七味唐辛子、白ごまなどを添えると、見た目も味わいもぐっと変わります。大人用にはゆずこしょうをほんの少し添える食べ方もあり、同じ料理でも違った表情が楽しめます。
▶ 動画で確認:フライパンで作る豚バラ大根
料理研究家のゆかりさんが、フライパンで豚バラ大根を作り、お肉を柔らかく仕上げて大根に味をしみ込ませる方法を紹介します。フライパンで作る方法を扱うこの節に合うため、ここに置きます。
出典:Yukari’s Easy Japanese Home Cooking Recipes「豚バラ大根の作り方☆定番の人気おかず!フライパンで簡単」(YouTube・約13分)
余った豚バラ大根の保存と翌日のアレンジ

豚バラ大根は、多めに作っても、翌日以降においしく食べやすい料理です。
ただし、保存の仕方によって、風味や安全面で差が出るため、基本を押さえておきましょう。
この章では、冷蔵・冷凍の保存方法と、飽きずに食べきるアレンジを紹介します。
作り置きのおかずとして、平日の夕食づくりに役立ててください。
冷蔵保存の手順は、次のとおりです。
- 粗熱がとれるまで、鍋のまま置く。
- 清潔な保存容器に、煮汁ごと移す。
- ふたをして、冷蔵庫に入れる。
- 食べるときは、鍋やレンジでしっかり温め直す。
冷蔵庫での保存期間は、2〜3日以内を目安に食べきると安心です。
ご家庭の冷蔵庫の状態や季節によっても違うので、においや見た目に違和感があるときは、食べるのを控えてください。
清潔なスプーンや箸で取り分けると、傷みにくくなります。
冷凍保存もできますが、大根は冷凍すると食感が変わりやすい点に注意が必要です。
冷凍した大根は、解凍後にスポンジのような食感になる、という声もあります。
冷凍する場合は、小分けにして保存袋に入れ、できるだけ平らにして空気を抜きます。
保存の目安をまとめると、次のようになります。
| 保存方法 | 期間の目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 冷蔵 | 2〜3日 | 煮汁ごと保存すると乾燥しにくい |
| 冷凍 | 2週間ほど | 食感が変わりやすいので、アレンジ向き |
冷凍した豚バラ大根は、食感の変化が気になりにくい料理に使うと、おいしく食べやすくなります。
翌日以降は、同じ味に飽きないよう、少し形を変えるのもおすすめです。
- うどんやそうめんの具にして、煮汁をつゆ代わりに使う
- 卵を割り入れて、ふたをして軽く煮る
- ご飯にのせて、丼にする
- 細かく刻んで、チャーハンの具にする
- とろけるチーズをのせて、トースターで焼く
煮汁が残った場合は、少し煮詰めて、ご飯にかける食べ方もあります。
うどんに使うときは、煮汁がやや濃い場合があるので、水やだしでのばして調整してください。
お子さんには、大根を小さく切ったり、具を細かくほぐしたりすると、食べやすくなります。
ここまでの流れをおさらいすると、大根を下茹でし、豚バラの脂をふき取り、煮たあとに置く、の3点が基本です。
調味料の割合も、水400mlに対してしょうゆ・みりん・酒を各大さじ3と覚えておけば、迷わず作れます。
最初から完璧を目指さず、まずは一度、基本どおりに作ってみてください。
慣れてきたら、甘さや濃さを家族の好みに合わせて調整し、わが家の定番の味に育てていきましょう。
保存の際に見落としやすいのが、粗熱をとる時間です。熱いまま冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がり、ほかの食品にも影響します。かといって、室温に長く置きすぎると傷みやすくなるため、鍋を水を張ったボウルやシンクにつけて冷ますと、早く粗熱がとれます。
保存容器は、あらかじめ洗って乾かした清潔なものを使い、できれば煮沸消毒やアルコール消毒をしておくと安心です。ホーロー容器やガラス容器は、においや色が移りにくく、そのまま温め直しもしやすいので、煮物の保存に向いています。
冷蔵した豚バラ大根は、表面に白い脂が固まって浮いていることがあります。これは豚バラの脂が冷えて固まったもので、温め直すと溶けます。気になる場合は、温める前にスプーンですくって取り除くと、さっぱりとした味わいになります。
冷凍する場合は、大根の食感が変わる点を踏まえ、あらかじめ大根を小さめに切っておいたり、冷凍する分だけを別に取り分けておいたりすると便利です。解凍するときは、冷蔵庫でゆっくり自然解凍するか、電子レンジで加熱します。解凍後は、再冷凍しないようにしてください。
冷凍したものを使うアレンジとしておすすめなのは、味噌汁やスープの具にする方法です。大根の食感が気にならず、豚バラのうま味が汁に溶け出して、コクのある一杯になります。味噌を少し溶き入れ、青ねぎを散らせば、手早く一品が完成します。
アレンジ料理の分量の目安も、いくつか挙げておきます。
| アレンジ | 豚バラ大根の量の目安(1〜2人分) | ひと工夫 |
|---|---|---|
| 煮込みうどん | 大根3〜4切れ、豚バラ数枚、煮汁おたま1杯 | 水200mlを足し、うどんを入れて温める |
| 卵とじ丼 | 大根・豚バラ各適量、卵1個 | 煮汁ごと温め、溶き卵を回し入れてふたをする |
| チャーハン | 大根・豚バラを細かく刻んで1/2量 | 煮汁の味があるので、塩は控えめにする |
| チーズ焼き | 大根4〜5切れ | 耐熱皿に並べ、チーズをのせてトースターで焼く |
卵とじ丼にする場合は、温めた豚バラ大根の煮汁に溶き卵を回し入れ、半熟になったらご飯にのせます。お子さんが食べるときは、卵にしっかり火を通してください。
チャーハンにする際は、大根の水分でご飯がべたつきやすくなります。刻んだ具をいったん強火で炒めて水分を飛ばしてから、ご飯を加えると、パラッと仕上がりやすくなります。
残り汁の活用法として、おでん風に練り物やこんにゃくを加えて煮直す方法もあります。この場合は、煮汁が減っていることが多いので、だしを加えて味を調整してください。
最後に、この料理を続けて作るときの心がけをまとめます。同じ分量でも、大根の個体差や季節で、仕上がりの印象は少しずつ違います。作るたびに「今日はやわらかさがちょうどよかった」「もう少し甘くてもよい」と簡単なメモを残しておくと、次回の調整が楽になり、ご家庭の味が安定していきます。
難しい工程はありませんが、ひとつひとつの手順に意味があります。下茹でで火を通し、焼いて脂を整え、煮て、置く。この4つの流れを意識するだけで、豚バラ大根は家庭の食卓に気軽に並べられる、心強い定番料理になります。ぜひ、今日の夕食から取り入れてみてください。
