金柑の甘露煮の作り方|苦くない・ふっくら仕上げるコツと日持ち

金柑の甘露煮の作り方|苦くない・ふっくら仕上げるコツと日持ち その他

金柑の甘露煮の基本の作り方と分量

金柑の甘露煮は、金柑を下ゆでして、砂糖のシロップでやさしく煮て、鍋のまま冷ますという3つの流れで作れます。材料は金柑、砂糖、水が中心で、レシピによっては少量の酢を加えます。特別な道具はいりません。

苦味やシワ、日持ちが心配な初心者さんでも、ポイントを押さえれば失敗しにくい保存食です。この記事では分量と手順を最初に紹介し、そのあとに下準備のコツ、保存、食べ方、シロップの使い道まで順に説明します。

おせちの彩りにも、冬のおやつにもなります。時間はかかりますが、火にかけている間は見守るだけの時間が長いので、ほかの家事をしながら進められます。

POINT 下ゆでは水から、煮るときは弱火で落とし蓋、冷ますときは鍋のまま。この3つを守ると、ふっくらつやのある仕上がりに近づきます。

材料(金柑200g〜300gが作りやすい量)

初めて作るなら、金柑200g〜300gが扱いやすい量です。200gでおよそ15個前後になります。小さめの鍋で作れるので、鍋の中で金柑が重ならずに並べやすくなります。

砂糖の量は、金柑の重さに対して40〜60%が目安です。しっかりした甘さにして長めに楽しみたいときは50%前後、控えめな甘さで金柑の風味を生かしたいときは40%くらいにします。

砂糖はグラニュー糖を使うと、すっきりした甘さで金柑の黄金色もきれいに仕上がります。酢を少し加えるレシピもあり、味がさっぱりして保存にも向くと紹介されています。

材料 金柑200gの場合 金柑300gの場合
金柑 200g(15個前後) 300g(10〜12個ほどの大きめサイズも)
グラニュー糖 130g 180g
水(シロップ用) 200g 金柑が浸かる程度
酢(お好みで) 15g なしでも作れます
下ゆで用の水 金柑がかぶる量 金柑がかぶる量

金柑のサイズで1個の重さが変わるため、個数より重さで量るのがおすすめです。大きな金柑は10〜12個で300gほどになることもあります。

道具は、金柑が重ならずに入る小さめの鍋、竹串、ナイフか包丁、ベーキングシート(クッキングシート)があれば十分です。鍋が大きすぎるとシロップが浅くなり、金柑が煮汁から出やすくなります。

手順:下ゆで→シロップで煮る→鍋のまま冷ます

全体の流れを順番に見ていきます。細かいコツは次の章以降で詳しく説明するので、まずは大まかな流れをつかんでください。

  1. 金柑をボウルの水できれいに洗い、竹串でヘタを取ります。
  2. 側面に縦に浅く、4〜5か所ほど切り込みを入れます。
  3. 鍋に金柑とかぶる量の水を入れ、水から火にかけます。沸いたら弱火にして、1〜3分ほどゆでます。
  4. 火を止めて水を細く入れ、少しずつ温度を下げます。
  5. 水を切り、種が気になるときは竹串で切り込みの間から取り除きます。
  6. 鍋に砂糖と水(お好みで酢)を入れ、砂糖が溶けるまで弱火で温めます。
  7. 金柑をそっと入れ、静かにふつふつする火加減で煮ます。
  8. ベーキングシートで落とし蓋をして、20〜30分ほど煮ます。
  9. 金柑全体が透き通ったら火を止め、落とし蓋をしたまま鍋の中で3時間ほど冷まします。
  10. 清潔な容器に移し、冷蔵庫へ入れます。

煮る時間は金柑の大きさやレシピによって幅があります。20〜30分で仕上げる方法もあれば、40分〜1時間ほどじっくり煮て皮をとろけるように柔らかくする方法もあります。

はじめは20〜30分を目安にして、金柑が透き通っているか、皮が柔らかくなっているかを見て調整すると安心です。

冷蔵庫に入れた翌日には、シロップがなじんで実にハリが出て、食べごろになります。出来たてもおいしいですが、一晩置くと味がまとまります。

▶ 動画で確認:金柑の甘露煮を作る様子を動画で確認

金柑の選び方から下処理、煮方、保存、アレンジまでを約12分で通して見せる作り方動画です。節の手順を実際の手元で確かめたい人に向け、全体の流れをつかむ補助として置きます。

出典:シクロエの家「美味しすぎて一瞬でなくなる金柑の甘露煮。苦くない、種も簡単に取れるコツやアレンジも大公開」(YouTube・約12分)

仕上がりを左右する下準備:ヘタ取り・切り込み・種取り・あく抜き

金柑の甘露煮は、煮る作業よりも下準備で仕上がりが決まるといわれます。

ここでは、それぞれの作業の目的と、やりすぎて失敗しやすいポイントを整理します。作業自体はどれも簡単なので、順番に丁寧に進めれば大丈夫です。

まず金柑は、水を張ったボウルで洗い、表面の汚れを落とします。水気を切ったら、竹串でヘタをくるりと取り除きます。包丁のあご(刃元)の部分を使って取る方法もあります。

ヘタを取るときに、実まで深くえぐってしまうと、煮たときに形が崩れやすくなります。ヘタの部分だけをそっと外すイメージで行いましょう。

切り込みは浅く数か所(皮の破裂とはがれを防ぐ)

金柑の中には空気が含まれていて、加熱すると膨らみます。切り込みを入れずに煮ると、皮が破裂することがあるため、側面に切り込みを入れて逃げ道を作ります。

切り込みは4〜5か所ほどが目安です。縦に、金柑の上下を少し残して入れます。切り込み同士がつながらないようにすると、形が保ちやすくなります。

切り込みを深く入れすぎると、煮たときに皮がはがれてしまいます。刃を当てるくらいの気持ちで、表面をうっすら切る程度にとどめてください。

コツは、包丁を動かさずに刃を当てたままにして、金柑のほうをゆっくり回すことです。包丁を持つ手の親指を金柑に添えておくと、ストッパーになって深くなりすぎるのを防げます。

切り込みの幅がそろっていると、煮上がりの見た目がきれいになります。ヘタがあった部分から反対側まで一気に切ってしまうのも、皮がめくれる原因になるので避けましょう。

切り込みには、種を取りやすくする役目もあります。また、シロップがしみ込みやすくなり、煮崩れを防ぐ助けにもなります。

種は取る?取らない? 見た目と食べやすさで選ぶ

金柑の種は、1個あたり3〜4粒ほど入っていることがあります。種を取ると食べやすくなりますが、取る作業で少し崩れやすくなります。

種は食べても大丈夫ですし、煮ることでとろみに関わるペクチンという成分が出ると紹介されています。そのため、種を取らずに作るレシピもあります。

どちらを選ぶかは、何を重視するかで決められます。目安を表にまとめました。

選び方 向いている場面 注意点
種を取らない おせちなど見た目を重視したいとき、手間を減らしたいとき 食べるときに種を出す手間がある
種を取る 子どもや家族でそのまま食べたいとき、お菓子に使いたいとき 切り込みを広げすぎると煮崩れやすい

種を取るときは、下ゆでのあとに行います。竹串を切り込みから差し込み、引っかけるようにして種を外へかき出します。

このとき、切り込み部分を大きく広げないことが大切です。広げすぎると煮崩れやすくなり、シワや変形の原因になります。

はじめての方は、まず数個だけ種を取ってみて、作業のしやすさを確かめるのもよい方法です。一部だけ取って、あとは残して煮ても構いません。

下ゆでと水にさらすあく抜きの目安

下ゆでは、金柑の皮の苦味やあくをやわらげるための工程です。水から火にかけ、沸いたら弱火にしてゆでます。

ゆで時間はレシピによって幅があり、1〜2分ほどの短い方法から、3分、5分、10分ほどゆでる方法まであります。ゆでる時間が長いほど苦味は抜けやすくなりますが、その分、柔らかくなって煮崩れにも注意が必要です。

あく抜きの方法も、いくつか紹介されています。主なものを並べると次のとおりです。

  • 水から入れて、沸いたら弱火で2分ほどゆで、水を細く足して温度を下げる方法
  • 沸騰した湯に入れて3分ほどゆで、ボウルの水に30分〜1時間ほどさらす方法
  • 弱火で10分ほどゆでたあと、多めの水に1時間ほど漬けておく方法
  • 1〜2分ゆでたあと冷水にとって、皮を引き締める方法

苦味が苦手な方や、小さなお子さんと食べる場合は、ゆで時間を少し長めにしたり、水にさらす時間をとったりすると食べやすくなります。

一方で、金柑のほろ苦さも味わいのひとつです。大人向けにほろ苦さを残したいときは、短めのゆで時間にとどめる方法もあります。

水にさらすときは、ボウルに水を張り、細く水を垂らしながら30分〜1時間ほど置くと、あくが抜けやすくなります。温かい金柑は崩れやすいので、ざるにあげるときもそっと扱いましょう。

下ゆでは、はじめは短め、慣れてきたら好みの苦味に合わせて調整、という考え方が安心です。同じ金柑でも、収穫時期や品種で皮の苦味は違います。

苦味を抑えてふっくら仕上げるコツ

苦味を抑えてふっくら仕上げるコツ

ふっくらつやのある甘露煮にするには、いくつかのコツがあります。大切なのは金柑にストレスをかけないことです。

金柑は、急な温度変化や、強い火力、煮ている最中にさわることが苦手です。これらを避けるだけで、皮の破れやシワ、煮崩れが起きにくくなります。

ここでは、苦味への対処も含めて、手順ごとのコツを紹介します。失敗しやすい点も表にまとめるので、困ったときに見返してください。

急な温度変化を避ける(水から下ゆで・水は細く入れる)

金柑は、急に温度が変わると皮が破れたり、シワが入ったりしやすくなります。そのため、温度の変化をゆるやかにすることが重要です。

注意点は、次の3つです。

  • 下ゆでは、沸いた湯ではなく水から始める
  • 下ゆで後の鍋に水を足すときは、細く流し入れて、少しずつ温度を下げる
  • シロップで煮るときは、弱火でじっくり煮る

水から下ゆでする方法では、火を止めたあとに水を細く入れて温度を下げていきます。蛇口を全開にして一気に冷やすのではなく、鍋の中の温度をなじませるように下げるのがコツです。

一方で、冷水にとって引き締める方法もあります。この場合は、ゆでて柔らかくなりすぎないうちに行い、そっと扱うようにします。どちらの方法でも、やさしく扱うことが共通のポイントです。

シロップで煮るときは、ぐらぐらと沸騰させず、静かにふつふつする状態を保ちます。火が強いと、皮が先に縮んでシワになりやすくなります。

苦味についても、温度管理は関わります。強火で長く煮ると、皮の苦味が出やすくなるといわれます。弱火でじっくり煮るほうが、まろやかな味に仕上がります。

落とし蓋で空気に触れさせず、煮始めたら触らない

金柑にシロップがしみ込むまでは、実が空気に触れないようにすることが、丸くふっくら仕上げるコツです。空気に触れた部分は、シワになりやすくなります。

落とし蓋には、ベーキングシート(クッキングシート)がおすすめです。鍋の大きさに合わせて丸く切り、中心に小さな穴を開けて使います。

木や金属の落とし蓋だと重すぎて、金柑がつぶれることがあります。軽いシートのほうが、実に負担をかけずに済みます。

アルミホイルは、金柑の酸で酸化するため落とし蓋には使わないでください。シートがない場合は、ほかの方法を考えるか、金柑が煮汁から出ないように鍋のサイズを調整しましょう。

もうひとつ大切なのが、シロップで煮はじめたら混ぜないことです。かき混ぜると、煮崩れや変形、シワの原因になります。落とし蓋をしていれば、混ぜなくても全体に火が通ります。

火加減だけに気をつけて、見守りましょう。シロップが常に金柑にかぶっている状態を保つと、きれいに仕上がります。

煮上がったら、火を止めて、落とし蓋をしたまま鍋の中で冷まします。目安は3時間ほどです。温度が下がる間にシロップが実にしみ込み、味がなじみます。

冷ます途中で蓋を外したり、実を動かしたりしないようにしましょう。急いで保存容器に移すと、せっかくのハリが落ち着かないことがあります。

よくある失敗と原因(シワ・煮崩れ・皮のはがれ)

うまくいかなかったときに、原因を見つけやすいよう整理しました。多くは、これまでに紹介したコツの逆の状態で起こります。

失敗 考えられる原因 次に作るときの対策
皮が破裂した 切り込みがない、または少ない 4〜5か所に浅く切り込みを入れる
皮がはがれた 切り込みが深い、上下までつながっている 浅く、上下を残して入れる
表面にシワが入った 空気に触れた、急な温度変化、強い火力 落とし蓋をして弱火で煮る、水は細く入れる
煮崩れた 煮ている途中で混ぜた、種取りで切り込みを広げた 煮始めたら触らない、切り込みを広げない
苦味が強い 下ゆでやあく抜きが短い ゆで時間や水にさらす時間をのばす
ハリがない 冷ます時間が短い 鍋のまま3時間ほど冷まし、一晩置く

失敗しても、味そのものは楽しめることがほとんどです。見た目が少し崩れたものは、ヨーグルトやお菓子の具材にすると目立ちません。

おせちに使う分は、きれいに仕上がったものを選び、崩れたものは自宅用に回すと無駄がありません。

POINT 失敗の多くは「深い切り込み」「急な温度変化」「空気に触れる」「煮ている途中で混ぜる」のどれかが原因です。次に作るときは、その一点だけ見直してみてください。

保存方法と日持ちの目安

保存方法と日持ちの目安

甘露煮は砂糖をしっかり使うため、生の金柑より日持ちしやすい保存食です。とはいえ、保存の仕方によって持つ期間は変わります。

ここでは、冷蔵と冷凍の目安、そしてシロップが濁ったときの対処を説明します。あくまで目安なので、状態をよく見ながら、早めに食べきるのが安心です。

保存の基本は、清潔な容器を使うことと、空気に触れさせないことです。この2つを守るだけで、品質が保ちやすくなります。

冷蔵は1〜2週間、冷凍は1〜2か月が目安

冷蔵保存では、清潔なガラス容器に、実が重ならないように入れます。そこへ、実が浸かるようにシロップを注ぎます。

表面にラップを密着させて空気に触れないようにし、さらに蓋やラップで覆います。この状態で、1〜2週間ほどが目安です。

砂糖を多めにして煮詰めた場合など、レシピによっては冷蔵で数週間持つとされるものもあります。ただ、砂糖の割合や容器の清潔さで差が出るため、まずは1〜2週間を目安にするのが無理がありません。

冷凍保存では、フリーザーバッグに、シロップと甘露煮を一緒に入れて、空気を抜いて冷凍庫へ入れます。目安は1〜2か月で、その間に使い切るようにします。

お菓子作りに使う予定があるなら、シロップと実を分けて冷凍しておくと使いやすくなります。小分けにしておくと、必要な分だけ取り出せます。

保存方法 日持ちの目安 ポイント
冷蔵 1〜2週間 清潔なガラス容器、実をシロップに浸す、ラップを密着
冷凍 1〜2か月 フリーザーバッグで空気を抜く、実とシロップを分けると便利

容器は、使う前に煮沸消毒するか、熱湯をかけるなどして清潔にしておきましょう。水気が残っていると傷みやすいので、よく乾かしてから使います。

取り出すときは、毎回清潔なスプーンを使うことも大切です。口をつけた箸やスプーンを入れると、日持ちが短くなる原因になります。

見た目やにおいに違和感があるときは、無理に食べずに処分する判断も必要です。保存期間はあくまで目安として考えてください。

シロップが濁ったときの対処と取り出し方

保存中にシロップが濁ってきたときは、鍋にシロップだけを移して、一度沸騰させてから冷ます方法が紹介されています。

冷めたら金柑を戻し入れて、清潔な容器に移し替えて保存します。ただし、においや見た目に異変があるときは、無理に使わず処分するほうが安全です。

濁りを防ぐには、いくつかのコツがあります。

  • 実がシロップから出ないよう、浸かる量のシロップを入れる
  • 表面にラップを密着させ、空気に触れさせない
  • 取り出すときは清潔なスプーンを使う
  • 冷蔵庫の奥など、温度が安定した場所に置く

ふたを開け閉めする回数が多いと、傷みやすくなります。数回に分けて食べるなら、小さな容器に小分けして保存しておくと便利です。

おせち・冬の手仕事として使う(作る時期と段取り)

金柑は「金冠」に通じるとされ、実りや豊かさを願う縁起のよい果物として、おせちにも使われています。甘露煮は、黄金色が彩りになり、お重の中でも映えます。

鹿児島県の郷土料理ともされ、お正月の定番として親しまれてきました。冬の手仕事として、家族で作る楽しみもあります。

切り込みを5か所にするのは、「五穀豊穣」や「円満」を表す縁起のよい数字とされるためという紹介もあります。おせち用に作るなら、こうした意味を込めるのも素敵です。

段取りは、日持ちを考えて逆算します。冷蔵で1〜2週間が目安なので、年末の少し前に作り、冷蔵庫で保管すると無理がありません。

早めに作っておきたい場合は、冷凍保存を活用する方法があります。冷凍なら1〜2か月が目安なので、時間に余裕をもって準備できます。

段取り やること
作る日の前 金柑・砂糖・保存容器・ベーキングシートを準備し、容器を清潔にしておく
作る日 下準備、下ゆで、煮る、鍋のまま3時間ほど冷ます
翌日 味がなじんで食べごろ。冷蔵庫で保管
おせちに詰める日 形のよいものを選び、汁気を軽く切って彩りよく盛る

おせちに入れるときは、形のきれいなものを選ぶと映えます。崩れたものは、家族のおやつやヨーグルト用に回すと無駄がありません。

金柑は冬から初春に旬を迎えるため、作る時期は旬の頃に合わせるのが基本です。年末に出回る金柑を探して、年内に仕込む流れが一般的です。

作る量が多いと、鍋のサイズや冷ます時間の調整が必要になります。はじめての年は、200gほどの少量で試し、翌年から量を増やすのも続けやすい方法です。

手仕事としての楽しみは、時間をかけて煮ること自体にもあります。ことこと煮る間に部屋に広がる甘い香りは、冬ならではのひとときです。

甘露煮のおすすめの食べ方とシロップの使い道

甘露煮は、実もシロップも無駄なく使えます。作った後の使い道を知っておくと、残ってしまう心配がありません。

そのまま食べるだけでなく、ヨーグルトや焼き菓子に加えたり、ドリンクにしたりと、アレンジの幅は広いです。ここでは実とシロップに分けて紹介します。

なお、甘露煮は砂糖を使っているため、食べる量には気をつけましょう。小分けにして、少しずつ楽しむのがおすすめです。

実:そのまま、ヨーグルト、焼き菓子、ゼリー

いちばん手軽なのは、そのまま食べる方法です。おせち料理に添えたり、お茶請けやおやつにしたりできます。

ヨーグルトにシロップごとのせると、砂糖やはちみつの代わりになります。ほろ苦い金柑とヨーグルトの相性は良く、シロップの量で甘さも調整できます。

アイスクリームのトッピングにするのもおすすめです。冷たいデザートに、金柑の香りと甘酸っぱさが加わります。

焼き菓子に加える使い方も定番です。バターケーキ、マフィン、ブラウニーなどに刻んで混ぜると、アクセントになります。

タルトやケーキのデコレーションに使えば、見た目も華やかになります。つやのある黄金色は、飾りにぴったりです。

ゼリーに閉じ込める方法もあります。粉寒天と水を煮溶かし、甘露煮のシロップを加え、甘露煮を入れた容器に流して冷やし固めると、きらきらしたデザートになります。おもてなしにも向いています。

  • そのままおやつやお茶請けに
  • ヨーグルトやアイスクリームにのせる
  • バターケーキやマフィンに刻んで加える
  • タルトやケーキの飾りにする
  • 寒天ゼリーに閉じ込める

シロップ:炭酸割り、お湯割りの金柑湯、ケーキのシロップ

煮汁として残ったシロップには、金柑の香りと甘みが移っています。捨てずに使い切りましょう。

お湯やソーダで割る飲み方は、手軽でおすすめです。グラスに甘露煮とシロップを入れ、炭酸水を注げば、金柑スカッシュのできあがりです。実を軽くつぶして混ぜると、香りが立ちます。

寒い日には、お湯割りの「金柑湯」が合います。シロップごとお湯で割るだけで、体が温まる一杯になります。

お菓子作りでは、スポンジやバターケーキに打つシロップ(アンビバージュ)として使えます。生地にしっとりと金柑の風味を加えられます。

ホットケーキミックスを使ったケーキに、シロップを生地へ加える方法もあります。紅茶の香りと合わせると、風味のよい仕上がりになります。

使い方 目安・ポイント
炭酸割り グラスにシロップ大さじ1〜2と実1〜2個、炭酸水を注ぐ
金柑湯 お湯でシロップを割る。好みの濃さに調整
ケーキのシロップ 焼き上がった生地に打つ、または生地に混ぜる
ゼリー 寒天液に加えて風味づけ

長く置かず、早めに使い切る計画を立てると安心です。使い切れない分は、冷凍しておく方法もあります。

金柑の栄養と風邪予防・のどのケアの考え方

金柑の栄養と風邪予防・のどのケアの考え方

金柑は、昔から冬の果物として親しまれ、のどのケアに用いられてきました。皮ごと食べられるため、皮に含まれる成分も一緒にとれるのが特徴です。

ビタミンCが豊富で、みかんの2倍ほど含まれると紹介されています。ビタミンCは、のどや鼻の粘膜を健やかに保つ栄養素として知られています。

皮には、ヘスペリジン(ビタミンPとも呼ばれます)という成分があり、体を温める食べ物として取り上げられることがあります。ビタミンEや食物繊維、カルシウムなども含まれます。

こうしたことから、金柑は風邪の予防やのどのケアに役立つ食材として紹介されることが多いです。ただし、食べたからといって風邪を防げる、治るとは言い切れません。体調管理の一環として、食事のひとつに取り入れるという考え方が大切です。

のどの調子が悪いときや、症状が続くときは、無理をせず医療機関に相談してください。甘露煮はあくまで食品であり、治療の代わりにはなりません。

食べる量にも注意しましょう。甘露煮や砂糖を使ったものは、1日2〜3個までを目安にする紹介があります。生の金柑なら5〜6個ほどが目安とされています。

皮ごと食べると食物繊維が多く、消化に負担がかかる場合もあります。一度にたくさん食べず、少量を毎日続ける食べ方が無理なく取り入れられます。

火を使わずにつくる金柑シロップ(氷砂糖で漬けるもの)は、加熱しないので、ビタミンCを生のまま取り入れやすい方法だとされています。甘露煮は加熱するぶん、日持ちとやわらかさに利点があります。

目的に合わせて、使い分けるとよいでしょう。のどを温めるように飲みたい日は、甘露煮のシロップをお湯で割った金柑湯もおすすめです。

甘露煮・ジャム・シロップ漬けの違いと選び方

金柑の加工には、甘露煮のほかにも、ジャムやシロップ漬けなどがあります。どれも保存食ですが、作り方や食感、使い道が少しずつ違います。

それぞれの特徴を知って、目的に合うものを選びましょう。まずは違いを表で比べます。

種類 作り方の特徴 食感・使い道 日持ちの目安
甘露煮 下ゆでして、砂糖のシロップで丸ごと煮る ふっくら柔らかい。おせち、おやつ、お菓子の具材に 冷蔵で1〜2週間、冷凍で1〜2か月
ジャム 皮と中身を分けて煮て、砂糖とレモン汁で仕上げる とろりとした塗り物。パンやお湯割りに 冷蔵で1か月ほど
シロップ漬け(氷砂糖) 切った金柑と氷砂糖を交互に入れておく。火を使わない ジュースやお湯割りに。実もそのまま食べられる 長期保存の一つの方法とされる
はちみつ漬け 切った金柑をはちみつに漬け込む 手軽に作れる。飲み物やヨーグルトに 保存状態により異なる

甘露煮は、実の形を保ったまま楽しめるのが大きな特徴です。おせちに入れたい、実をそのまま味わいたいという方には甘露煮が向いています。

ジャムは、金柑を下ゆでしたあと、皮と中身を分けて煮て、砂糖とレモン汁を加えます。金柑300gに対してグラニュー糖150g、レモン汁小さじ1が基本の目安です。甘露煮より手間は少しかかりますが、パンやヨーグルトに使いやすくなります。

氷砂糖のシロップ漬けは、火を使わず、切った金柑と氷砂糖を瓶に入れるだけです。手軽で、お子さんと一緒に作るのにも向いています。

選び方の目安は次のとおりです。

  • おせちに入れたい、形を楽しみたい→甘露煮
  • パンやヨーグルトに塗って使いたい→ジャム
  • 手軽に飲み物にしたい、火を使いたくない→氷砂糖のシロップ漬け
  • 短時間で作りたい→はちみつ漬け
POINT 迷ったら、まず甘露煮から。実もシロップも使えて、ヨーグルト、お菓子、ドリンクまで幅広く活用できます。

はじめての冬は甘露煮を作り、余った金柑でジャムやシロップ漬けに挑戦する、という進め方もおすすめです。慣れてきたら、はちみつや生姜を加えるアレンジも楽しめます。

金柑の旬の時期と選び方・ブランド金柑「たまたま」

完熟したものは甘みが強く、そのままでもおいしく食べられます。

甘露煮にするなら、旬の時期の金柑を選ぶと、風味のよい仕上がりになります。購入の際は、皮にハリとつやがあり、色が鮮やかなものを選ぶとよいでしょう。

手に持ったときに、ずっしりと重みがあるものは、中身が詰まっていると考えられます。傷やしぼみがないかも、確認してみてください。

金柑にはいくつか品種があります。たとえば、ひと回り大きな「福寿金柑」は、コンポートや甘露煮に向くとされています。大きいと食べごたえがあり、甘露煮にしたときにも存在感が出ます。

ブランド金柑としては、宮崎県産の「たまたま」が知られています。樹上で完熟させた金柑で、糖度16度以上、直径2.8cm以上の厳選されたものだけがこの名前で出荷されます。

生で食べると非常に甘く、皮の苦味が少ないため、そのまま食べるのもおすすめと紹介されています。スライスしてサラダに彩りを添えたり、マリネにしたりする使い方もあります。

甘露煮にも使えますが、そのまま食べてもおいしいため、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。見た目の大きさがそろうので、おせち用にも向いています。

買ってきた金柑をすぐに使わない場合は、保存にも気を配ります。皮が薄くて乾燥しやすいため、4〜5個ずつペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存する方法があります。

余りそうなときは冷凍する方法もあります。自然解凍で食べるなら、栄養素もあまり失われないとされています。

チェック項目 見るポイント
色・つや 鮮やかな橙色で、皮にハリとつやがある
重さ 持ったときにずっしり感がある
傷・しぼみ 傷やしぼみがない
大きさ そろっていると煮上がりがきれい
時期 冬から初春の旬を目安に

大きさがそろった金柑を選ぶと、同じ火加減で均一に煮えるため、仕上がりがそろいます。大小が混ざる場合は、大きいものから先に煮るなど、時間の調整が必要です。

旬のおいしい金柑を手に入れて、ぜひ今年の冬の手仕事として、甘露煮づくりを楽しんでみてください。