赤ちゃんが人見知りや後追いをしないのは愛情不足?自閉症の可能性がある?

受診する赤ちゃん 生活

MSDマニュアル家庭版では、親や主な養育者から離れたり、知らない人が現れたりしたときに乳児が不安になったり怖がったりするのは、正常な発達の一部だと説明されています。

同じページでは、親や主な養育者から引き離されたときに不安を覚える「分離不安」は、典型的には生後8カ月頃から始まり、生後10カ月~1歳半に最も強くなるとしています。人見知りについては、生後約8~9カ月で始まり、程度と持続期間は小児によって大幅に異なると説明されています。

出典:MSDマニュアル家庭版「分離不安および人見知り」

人見知りが始まる時期は、資料によって幅があります(下で紹介する鶴岡市の資料では、生後6~7か月頃としています)。

一方で、私のママ友の子どものように、人見知りや後追いがあまり見られない赤ちゃんもいます。

「あれ?うちの子は人見知りも後追いもしないなぁ」、「愛情不足なのかな?」、「もしかして自閉症?」と不安になるママもいると思います。

この記事を最初に書いた2018年当時、1歳6ヶ月だった私の娘には人見知りや後追いがありましたが、ママ友の赤ちゃんにはなく、ママ友は「何か問題でもあるのかな?」と心配していました。

そこで、公的機関の資料などをもとに、人見知りや後追いをしない赤ちゃんについてまとめ直しました。

赤ちゃんが人見知りや後追いをしないのは愛情不足?

泣く赤ちゃん
 

山形県鶴岡市の子育て支援推進委員会がつくった「子育て応援カード」では、人見知りは生後6~7か月頃から始まるとしたうえで、人見知りには個人差があり、始める時期も程度もさまざまで、中には人見知りをしない子どももいると説明されています。

同じカードでは、人見知りは、一番身近なお父さんやお母さん、家族がしっかりと関わることで安心し、甘えられる人がいるからこそ現れる姿だとも説明されています。

出典:鶴岡市子育て支援推進委員会「子育て応援カード3 人見知り」(PDF)

家族との関わりが人見知りの土台になる一方で、人見知りの始まる時期や程度には個人差があり、人見知りをしない子どももいる、というのがこのカードの説明です。

私のようにワンオペ育児で常に娘と一緒だと「愛情をたっぷり注いだから娘に人見知りや後追いがある」というよりも、娘が私から離れるのが怖いだけなのかなとも思います。
 

それでも心配なときは、スマホを置いて赤ちゃんと向かい合い、声をかけたり一緒に遊んだりする時間を少し増やしてみるのもいいと思います。赤ちゃんとのやりとりを楽しむ工夫は、この記事の後半で紹介しますね。
 

人見知りや後追いをしない理由として、愛情不足のほかに気になりやすいのが「自閉症が関係しているのでは?」ということです。

赤ちゃんが人見知りや後追いをしないのは自閉症の可能性がある?

受診する赤ちゃん
 

上で紹介した鶴岡市の資料にあるとおり、人見知りには個人差があり、人見知りをしない子どももいます。

厚生労働省の資料(e-ヘルスネットの記述を引用したもの)では、自閉スペクトラム症(自閉症)は、DSM-5という診断基準の条件が満たされたときに診断されると説明されています。そのうえで、特徴として次のようなことが挙げられています。

  • 症状の重症度は様々だが、言葉の遅れ、オウム返し、会話が成り立たないなど、言葉やコミュニケーションの障害が認められることが多い
  • 乳児期早期から、視線を合わせることや身振りをまねすることなど、他者と関心を共有することができず、社会性の低下もみられる
  • 一つの興味・事柄に関心が限定され、こだわりが強い、感覚の過敏さや鈍さがみられることも特徴的

出典:厚生労働省「自閉スペクトラム症に関する資料」(PDF)

自閉スペクトラム症は、DSM-5という診断基準の条件が満たされたときに診断されるものです。気になることがあるときは、自己判断せずに、下で紹介する相談先に相談してみてください。

乳幼児期に芽生えるコミュニケーション

国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報・支援センターでは、乳幼児期を「人に向けてのコミュニケーションが芽生える時期」として、次のようなポイントを紹介しています。

  • 模倣:生後9ヶ月ごろから、大人の真似をしたがるようになる
  • 呼名反応:おすわりがしっかりできるようになった頃に名前を呼びかけると、呼んだ人の方を振り向く
  • 指さし:1歳過ぎくらいから、要求や興味のある物を大人に伝えるために指さしをするようになる
  • ごっこ遊び:物を別の物に見立てて遊ぶ

出典:発達障害情報・支援センター「乳幼児期」

同じページでは、ほかのことに夢中になっていると、呼んでも振り向かないことがあるとも書かれています。そんなときは、少し待ってからもう一度声をかけてあげましょう、と案内されています。

気になるときの相談先

気になることが続くときは、ひとりで悩まずに相談してみてください。

  • 乳幼児健診:母子保健法第12条により、市町村は満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児と、満3歳を超え満4歳に達しない幼児に健康診査を行わなければならないと定められています(出典:e-Gov法令検索「母子保健法」)。文部科学省の資料では、1歳6か月児は歩行や言語等の発達の標識が容易に得られる時期とされています(出典:文部科学省「障害の発見にかかわる主な制度」)
  • 発達障害者支援センター:発達障害のある子どもや大人とその家族からのさまざまな相談に応じ、指導と助言を行う専門機関です。都道府県・指定都市、または都道府県知事等が指定した法人が運営しています。事業内容には地域性があるため、詳しくはお住まいの地域のセンターに問い合わせるよう案内されています(出典:発達障害情報・支援センター「発達障害者支援センターとは」・発達障害者支援センター・一覧)

健診の時期でなくても、かかりつけの小児科や、お住まいの市区町村の子育て相談の窓口に聞いてみるのもいいと思います。

赤ちゃんとのやりとりを楽しむ工夫

発達障害情報・支援センターの「乳幼児期」のページでは、コミュニケーションを引き出す遊びの工夫も紹介されています。

  • 子どもの動作や声を真似したり、子どもに真似してもらったりする「やりとり遊び」をする
  • 遊びながら、さりげなく名前を呼びかける
  • 好みのおもちゃとそうでないおもちゃを2つ見せて、どちらが欲しいか指さしで選ばせる
  • 人形やぬいぐるみ、食べ物のミニチュアなどで、おやつパーティのようなごっこ遊びをする

出典:発達障害情報・支援センター「乳幼児期」

赤ちゃんがいるママはなかなか休むことができず、睡眠不足と疲労との戦いですよね。

できる範囲でいいので、赤ちゃんに笑顔で話しかけて、一緒に遊ぶ時間を楽しんでみてください。

 
 
 

今回は、赤ちゃんが人見知りや後追いをしない理由や、自閉症の可能性についてお伝えしました。
 

  • 人見知りには個人差があり、始める時期も程度もさまざまで、人見知りをしない子どももいる
  • 人見知りは、家族がしっかり関わることで安心し、甘えられる人がいるからこそ現れる姿とも説明されている
  • 自閉スペクトラム症は、DSM-5という診断基準の条件が満たされたときに診断される
  • 気になるときは、乳幼児健診やかかりつけの小児科、発達障害者支援センターなどに相談できる

 

私のママ友のように赤ちゃんの人見知りや後追いがないため、

「愛情不足なのかな?」

「もしかして自閉症かも?」

と悩んでいるママもいると思います。
 

赤ちゃんには個性があります。少しでも不安に思ったら、ひとりで抱え込まずに、健診や相談窓口を頼ってみてくださいね。

確認した日と出典

この記事の内容は、2026年10月6日に次のページで確認しました。お子さんの発達について気になることがあるときは、医師や相談窓口に相談してください。

  • MSDマニュアル家庭版「分離不安および人見知り」
  • 鶴岡市子育て支援推進委員会「子育て応援カード3 人見知り」(PDF)
  • 厚生労働省「自閉スペクトラム症に関する資料」(PDF)
  • 発達障害情報・支援センター「乳幼児期」
  • 発達障害情報・支援センター「発達障害者支援センターとは」
  • e-Gov法令検索「母子保健法」
  • 文部科学省「障害の発見にかかわる主な制度」