子供が生まれて初めてあげる離乳食。
かわいい食器やスタイを準備したり、離乳食の本で何を作ろうか考えたり、ママはワクワクしますよね。
その一方で、赤ちゃんに食べ物を与える順番や与えていけない食べ物があって、ママは戸惑ってしまうことが多いかもしれません。
生まれたときから乳児湿疹が酷かったり、ママやパパがアレルギー体質であったりすると「もしかしたら我が子もアレルギーがあるかもしれない」、「食物アレルギーがあったらどうしよう」と不安になるママもいるのではないでしょうか?
私の1歳半になる娘は卵アレルギーのため、離乳食には苦労しています。
そのため食物アレルギーについてはインターネットや本でかなり調べました。
今回はそんな気になる食物アレルギーの症状や原因、検査方法と治療方法についてお伝えしていきます。
子供の食物アレルギーの症状や原因は?
お子さんが離乳食を始める時期になると、アレルギーのことが心配になると思います。
我が家の場合、私も夫も食物アレルギーがあり、さらに私はアトピー性皮膚炎もあったので、娘が生まれる前から肌やアレルギーのことを心配していたんです。
そのため、生後2ヶ月ごろから小児科と皮膚科の2つを定期的に受診していました。
ここからは「食物アレルギー」とは一体どんな症状で、どんなことが原因として考えられているのかを見ていきましょう。
- 食物アレルギーで起こりやすい症状と種類
- 食物アレルギーの原因は?
食物アレルギーで起こりやすい症状と種類
食物アレルギーには主に3つの症状があります。
- 新生児・乳児消化管アレルギー
- 即時型症状
- アナフィラキシーショック
それぞれの症状についてお伝えします。
新生児・乳児消化管アレルギー
新生児・乳児消化管アレルギーは、牛乳(乳児用調整粉乳)によって起こることが多いアレルギーです。
血便や嘔吐、下痢などの消化管症状を引き起こします。
この分類のアレルギーは、成長に伴って症状が出なくなることが多いといわれています。
即時型症状
即時型症状は、原因となる食物を摂取したあと、通常2時間以内に症状をきたします。
症状は、蕁麻疹や痒み、赤みなどが9割です。
程度に関してはもちろん年齢や月齢、摂取量によって違ってきます。
私の娘は定期的に小児科と皮膚科を受診していたにも関わらず、離乳食で卵をあげたとき、赤みや発心というレベルではなく全身に蕁麻疹が広がり、顔も誰かわからないくらいパンパンになってしまいました。
アナフィラキシーショック
一番注意が必要なのがアナフィラキシーショックです。
全身性アレルギー症状が起こり、生命に危機を与え得る過敏反応をアナフィラキシーといい、聞いたことがあるママやパパも多いのではないでしょうか。
皮膚粘膜・呼吸器・消化器など、複数の臓器に急激に症状が出るのが特徴です。
アナフィラキシーの中でも血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックと呼びます。
アナフィラキシーショックには下記のような症状が出ます。
- 咳・激しい咳き込み
- 呼吸困難
- 意識の混濁
- 繰り返す嘔吐・下痢
このような場合には、早急に治療が必要なので、すぐに救急車を呼びましょう。
上記以外の赤みや蕁麻疹などでも、そのままにしておくと症状が悪化する可能性がありますので、できるだけ早く病院で診てもらってください。
次は食物アレルギーの原因についてお伝えします。
食物アレルギーの原因は?
食物アレルギーは、食べ物の中のたんぱく質が十分に分解することが出来ないまま吸収されることによって起こります。
「赤ちゃんに食物アレルギーが多い」
ということや、
「子供が食物アレルギーになった」
という話を聞くと、食べさせること自体が不安になってしまいますよね。
少しでもアレルギー症状が出ると
「心配だからあげない」
「あげるのを遅らせる」
というお母さんも多いのではないでしょうか。
乳幼児期は胃腸の機能が未発達で、たんぱく質が十分に分解されることなく吸収されてしまうため、アレルギー反応を起こしてしまいます。
そのため、特別な治療を行わなくとも、消化機能が備わってくると自然と治ってくることが多いのも子供の食物アレルギーの特徴です。
ここではアレルギーの原因となりがちな3つをご紹介します。
- 3大アレルゲン
- 7大アレルゲン
- 仮性アレルゲン
3大アレルゲン
これら3つの食物が3大アレルゲンと呼ばれ、食物アレルギーの本や厚生労働省の食物アレルギーに関する資料では、食物アレルギーの上位3つを占めています。
- 鶏卵
- 牛乳
- 小麦
7大アレルゲン
3大アレルゲンに4つの食品を追加して「7大アレルゲン」と呼びます。
これらの食品はアナフィラキシーショックに陥るリスクが高いので注意が必要です。
- 鶏卵
- 小麦
- 牛乳
- そば
- ピーナッツ(落花生)
- 魚類
- エビやカニなどの甲殻類
仮性アレルゲン
仮性アレルゲンとは、アレルギーの類似症状を起こす物質のことをいうのですが、症状の出現は物質の薬理作用によるものなので、厳密にはアレルギー症状とは異なります。
例えばトマトや山芋を食べたときに、口の周りが赤くなるといった経験がある方もいるのではないでしょうか?
これが仮性アレルゲンという物質が影響して起こる症状です。
お子さんに離乳食をあげるときには、7大アレルゲンに十分に注意をしてください。
お子さんの身体に何か異変があったらすぐに病院に行けるように、7大アレルゲンを含む離乳食をお子さんにあげるのは朝食または昼食がおすすめです。
次はアレルギー検査の費用についてお伝えします。
アレルギー検査の費用はいくら?
アレルギー検査の費用は、保険が適応される場合とそうではない場合があります。
そもそもアレルギーは病気ではないので、本来保険適用外なのです。
「心配だからとりあえず受けよう」といった理由では保険適用どころか、医師のほうからも断られるでしょう。
まず前提として「症状が出ている」や「疑いがある」と保険適用の検査を受けることができるのです。
ここでは一般的な2つの検査と費用についてお伝えしますね。
- 皮膚パッチテスト
- 特異的IgE抗体検査(RAST)
皮膚パッチテスト
アレルゲンエキスを皮膚に数滴たらし、判定する「スクラッチテスト」と呼ばれるもので、400円が目安となります。
私の娘は卵黄を与えたときに「即時型症状」が出たため生後7ヶ月の頃にこの皮膚パッチテストを受けたんです。
そのときは卵黄、卵白、小麦、乳の4つを検査して、卵黄と卵白のエキスを付着させた箇所が腫れたため、アレルギーとの診断でした。
離乳食を始める前に、念のためアレルギー検査をしておきたいと思うママやパパもいますよね。
私もそうでした。
ただし検査をする前に、知っておいてほしいことがあります。
それは血液検査の結果が全てではないということです。
アレルギーかどうかの判断は、実際に特定の食物を食べて反応が出たかどうかということと、血液検査の結果を慎重に考慮されるからです。
そのため、症状が出ていない状態で血液検査をして陽性であったとしても、症状が出ていなければアレルギーと診断することができません。
家族に重篤なアレルギーを持つ方がいたりするような場合には、まず医師に相談してみたほうが良いと思います。
特異的IgE抗体検査(RAST)
特異的IgE(アイジーイー)抗体検査はRAST(ラスト)とも言います。
この特異的IgE抗体検査は保険適用で、一度に13項目まで検査することができます。
アレルゲンは200種類ほどありますので、その中で検査したい、疑いのあるものを選んで検査します。
ちなみに保険適用された検査費用はこんな感じです。
- 1項目:約800円
- 10項目:約3,800円
- 13項目:約4,800円
※13項目を超えた項目は保険適用外となります。
私の娘は1歳を過ぎたときに、食事で出したごく少量の卵白が原因で、全身に赤みや蕁麻疹、顔も腫れ上がってしまったため急遽血液検査をし確定しました。
次は食物アレルギーの治療方法についてお伝えします。
食物アレルギーの治療方法は?
ここでは日本で一般的なアレルギーの治療方法である「経口(けいこう)免疫療法」をご紹介します。
経口免疫療法というのは、食物アレルギーの原因である食物を避けるのではなく、段階的に食べる量を増やしながら耐性を獲得させていき、食べても症状が出ないことを目指す治療方法です。
経口負荷試験によって症状が誘発される量を調べ、その量を基準にして、専門医の管理のもとで段階的に食べさせる量を増やしながら、最終的に耐性を獲得することを目的としています。
私の娘は卵アレルギーで現在も専門の医療機関に通院中です。
今は経口負荷試験の真っ只中で、今は全卵1/8個まで食べることができています。
娘の場合には日帰り入院をし、原因とされる食物を最小限の量を食べ15分毎に医師と看護師がみてくれるものです。
症状が出て酷い場合にはそのまま1泊、何もなければ日帰り退院というシステムで、費用については病院で異なるとは思いますが、個室でなければ入院時の食事代のみの請求なので300円前後でした。
個室の場合には別途個室代がかかり1万円以上と聞いたので、我が家は迷わず大部屋にしました(笑)
経口負荷試験は専門医の指示通りおこなえばアレルギーを克服できる可能性が高いので、私も娘の卵アレルギーが治るように希望を持って取り組んでいます。
今回は、子供の食物アレルギーの症状や原因、検査費用や治療方法についてお伝えしましたが、いかがでしたか?
食物アレルギーの症状や原因、アレルギー検査の費用、治療方法についてまとめました。
- 新生児・乳児消化管アレルギー
- 即時型症状
- アナフィラキシーショック
■食物アレルギーの原因
- 3大アレルゲン
- 7大アレルゲン
- 仮性アレルゲン
■アレルギー検査の費用
- 特異的IgE抗体検査(RAST):1項目が約800円~13項目が約4,800円
- 皮膚パッチテスト:約400円
■食物アレルギーの治療方法
段階的に食べる量を増やしながら耐性をつける「経口免疫療法」
食物アレルギーは上手に対応していけば改善しますので、決して怖い病気ではありません。
アレルギーの原因を正しく把握して、必要最小限の食物除去を心がけ、適切に対応すれば克服できるものです。
しかも赤ちゃんのうちに発症した食物アレルギーは、適切な対応で改善していくケースが多いんです。
アレルギーの出やすい赤ちゃんから乳幼児期は、大変なこともたくさんありますが振り返ればあっという間の時代。
もし食べ物を口にした後に何か症状が出たり、ママやパパが気になるようであれば、かかりつけ医を受診してみるのもいいですし、それでも不安なら専門医にアドバイスも受けることをおすすめします。