松前漬けとは?数の子・するめ・昆布を漬けた北海道の郷土料理
松前漬け(まつまえづけ)は、数の子、するめ、昆布を醤油ベースの漬けだれに漬け込んだ、北海道の郷土料理です。もともとは冬の保存食として作られてきました。いまはお正月料理の定番としても知られています。
この記事では、味や材料の基本から、由来、お正月に食べる理由、家庭での作り方、日持ち、アレンジ、買うときの選び方までを順番に整理します。「作るか買うか迷っている」「家族に由来を説明したい」という方が、この1本で全体像をつかめる構成です。
先に結論をまとめると、次のとおりです。
- 松前漬けは、乾燥させたするめと昆布を細く切り、醤油・酒・みりんなどに漬けた料理です。数の子を加えたものが、お正月向けの縁起のよい一品とされています。
- 家庭でも、するめ・昆布・数の子・調味料があれば作れます。漬け込みは数日から1週間ほどが目安です。
- 冷蔵で2週間ほど、冷凍で2か月ほどが保存の目安です。ただし、清潔な容器や箸を使うことが前提になります。
- 買うときは、数の子入りか、いか中心か、具材入りかを決めてから、家族の人数や食べ方に合わせて選ぶと迷いにくくなります。
どんな味と食感の料理か
松前漬けの魅力は、味と食感の重なりにあります。かむほどに、するめと昆布のうま味が口に広がります。
昆布から出るとろりとしたぬめりが、全体をまとめるアクセントになります。そこに数の子のコリコリとした歯ごたえが加わり、いか特有のかみごたえも楽しめます。
味つけは、醤油をベースに、酒やみりん、砂糖などでほんのり甘みを足したものが多く見られます。ごはんに合うように、やや濃いめに仕上げられることもあります。
漬けたばかりのころは、するめも昆布も硬さが残っています。時間がたつにつれて、するめがふっくらと戻り、昆布のぬめりも出てきて、味がまろやかになじんでいきます。
そのため松前漬けは、作った直後よりも数日置いたほうが、食べやすくなる料理です。この「寝かせて育てる」感覚が、家庭で作るときの楽しさでもあります。
食べ方は、ごはんのおかずにも、お酒のつまみにも向きます。濃いめの味なので、少量を小鉢に盛るだけで食卓の彩りになります。
主な材料と地域による違い
基本の材料は、するめ(乾燥させたするめいか)、昆布、数の子の3つです。家庭のレシピでは、色合いと甘みを足すために、にんじんを加えることがよくあります。
調味料は、醤油、酒、みりん、砂糖、塩などを組み合わせます。薬味として、柚子の皮や唐辛子を加える作り方もあります。
地域や家庭によって、入れる具材には幅があります。大根やかぶの千切り、日干しした大根を加える家庭もあります。
お店ごとの味の違いも大きな特徴です。塩味に仕立てたもの、山菜が入ったもの、ほたてやわさび菜、あわびなどを合わせたものまで、さまざまな種類が見られます。
材料の違いを、表にまとめます。
| 材料 | 役割 | ひと言メモ |
|---|---|---|
| するめ | うま味とかみごたえ | 繊維に沿って細く切ると歯ごたえが残る |
| 昆布 | うま味とぬめり | 細切りにして使う。ぬめりを増したいときはがごめ昆布を混ぜる方法もある |
| 数の子 | コリコリした食感と華やかさ | 塩出しして薄皮をむき、食べやすく切るかほぐす |
| にんじん | 彩りとほのかな甘み | 入れない家庭もある |
| 柚子の皮・唐辛子 | 香りや辛みのアクセント | 好みで少量を加える |
北海道のどこの郷土料理か
松前漬けは、北海道の道南地域、とくに松前町周辺が主な伝承地域とされています。「松前」という名前も、この地名から来ています。
農林水産省の「うちの郷土料理」でも、松前漬けは北海道の郷土料理として紹介されています。主な伝承地域は道南地域と松前町周辺で、冬の保存食として親しまれてきたと説明されています。
いまも松前町には複数の製造業者があります。北海道の物産展や土産物の定番としても広く知られています。
全国のデパートの食品売り場やスーパー、道の駅、通信販売でも見かけるようになりました。北海道の味が、お正月や贈り物を通じて全国の食卓に届いているといえます。
さらに最近では、家庭で作りやすい「松前漬けキット」も販売されています。ふるさとの味が、より身近な料理になってきました。
▶ 動画で確認:函館で味わう松前漬けと郷土料理
テレビ朝日の番組で、三國清三シェフが函館を訪ね、イカ刺しやくじら汁とともに松前漬けを地酒と味わう回です。道南の郷土料理として根づいた様子を映像で確認できるため、この節に置きます。
出典:アクティブチョイスプロジェクト【テレビ朝日公式】「食と歴史の旅【美味継承】北海道函館編 第四話 三國清三が函館の郷土料理を食す」(YouTube・約26分)
松前漬けの由来と名前の理由

松前漬けの成り立ちには、史料が少なく、はっきりしない部分があります。そのため、いくつかの説が伝わっています。
ここでは、北海道の海の恵みと暮らしの知恵から生まれた背景を、順を追って見ていきましょう。由来を知っておくと、お正月の食卓で家族に話すきっかけにもなります。
大まかな流れは、「ニシン漁の時代に数の子を使った保存食として広まり、のちにするめいかと昆布が中心になった」というものです。味つけも、塩から醤油へと移っていきました。
ニシン漁と保存食から広まった背景
北海道南部では、江戸時代後期から明治時代にかけて、ニシン漁が最盛期を迎えました。大量にとれるニシンの卵が、数の子です。
当時、数の子は安価でした。漁師の妻たちが、冬に備える保存食として、数の子とするめいか、昆布を合わせて塩漬けにしたといわれています。
冬の北海道では、新鮮な食材が手に入りにくくなります。乾燥させたするめや昆布と、保存のきく数の子を組み合わせた松前漬けは、暮らしの知恵が詰まった一品でした。
その後、漁師のお母さんたちが冬の料理として作り、地域に広まったと伝えられています。もともとは、家庭の台所で受け継がれてきた料理だったのです。
やがてニシン漁は昭和に入って衰えていきました。入れ替わるように、松前町ではするめいか漁が本格的に行われるようになります。
松前町は、隣の福島町とあわせて、全国有数のするめいかの産地となりました。そのため松前漬けでも、するめいかと昆布が多く使われるようになったのです。
「松前」の名前と発祥の諸説
名前の「松前」は、江戸時代の松前藩(いまの北海道松前郡松前町周辺)に由来するといわれます。松前藩の地元でとれた食材を使って作られていたという説明です。
ただし、起源についてははっきりした史料が乏しく、複数の説があります。ここでは代表的なものを紹介します。
- 松前藩の保存食説:するめや昆布の産地で、北前船から醤油などが届くようになった江戸時代後期ごろ、自然に作られるようになったとする説です。
- いかにんじん由来説:松前藩が一時、いまの福島県伊達市のあたりへ国替えになった際、家臣が現地の郷土料理「いかにんじん」(細切りのするめとにんじんの醤油漬け)を知りました。のちに蝦夷地へ戻ってから、特産の昆布などを加えたのが始まりとする説です。
- 昆布の呼び名説:北海道産のまこんぶが「松前昆布」と呼ばれていたため、昆布を使う料理に「松前」の名がつけられたとする説です。松前寿司や松前煮など、同じ名の料理があります。
江戸時代には、松前漬けという名前では呼ばれていなかったともいわれます。当時は「こぶいか」「いかの醤油漬」といった呼び名で通っていたと伝わります。
「松前漬」という名称は昭和期に定着し、昭和初期に函館の老舗が商品化したことで、全国に知られるようになったとされています。商品化の時期は、昭和10年代はじめとする説明が見られます。
このように、複数の説が並んでいること自体が、松前漬けが人々の暮らしの中で自然に育まれた料理であることを物語っています。
塩漬けから醤油漬けへ、数の子が減った理由
松前漬けは、もともと塩漬けだったといわれます。やがて日本人の味覚の好みが変わり、いまは醤油をベースにしたものが主流です。
醤油で漬けると、ごはんにもお酒にも合うコクのある味になります。家庭で作りやすい点も、醤油味が広まった理由と考えられます。
数の子の量が減った背景には、ニシン漁の変化があります。昭和の半ば以降、ニシンの不漁が続き、数の子は高価な食べ物になりました。
そのため、かつてほど数の子をたっぷり使えなくなりました。するめと昆布の割合が増え、するめと昆布だけで漬けたものも多くなっています。
この変化を知っておくと、買うときに役立ちます。「数の子が少なめのもの」「いか中心のもの」は、本来の姿から変わってきた、いまの松前漬けの一つの形だからです。
数の子の存在感は小さくなっても、お正月には数の子入りを選ぶ家庭が多くあります。伝統の味を受け継ぎたい気持ちが、いまも続いているのでしょう。
お正月に松前漬けを食べるのはなぜ?
松前漬けは、お正月料理として食卓に出されることが多い一品です。理由はいくつか考えられます。
1つめは、冬の保存食だったことです。松前漬けは、北海道で冬の定番料理として親しまれてきました。冷え込む季節の食卓に、昔から並んできた味です。
2つめは、数の子の存在です。数の子入りの松前漬けは、縁起食としてお正月料理の定番とされています。おせち料理の一品として、数の子が入った松前漬けを選ぶ家庭は少なくありません。
3つめは、作り置きに向いていることです。漬けておけば、数日から1週間ほどで味がなじみます。年末の忙しい時期に前もって仕込んでおけるので、お正月の準備が楽になります。
4つめは、見た目と味の相性です。にんじんの赤、昆布の深い色、数の子の黄金色が小鉢に入ると、食卓が華やぎます。ごはんにも、お酒にも合うので、集まった家族や親戚にも出しやすい料理です。
なお、お正月以外にも松前漬けは楽しめます。北海道では冬の定番料理で、物産展や土産としても人気です。「お正月だけの料理」と決めつけず、冬のあいだの常備菜として活用するのもよい方法です。
食卓に出すときのコツも紹介します。小さな器に少量ずつ盛り、柚子の皮のみじん切りを添えると、香りが立って上品な見た目になります。
取り分けるときは、清潔な箸を使いましょう。大皿から何度も取り分けるより、小鉢に分けて出すほうが、衛生面でも安心です。
家庭での松前漬けの作り方

松前漬けは、家庭でも作れます。切る作業と漬け込む作業が中心で、火を使うのは調味液を整えるときくらいです。
ここでは、4人分の目安量で、基本の作り方を説明します。レシピは地域や家庭によって違いがあるので、あくまでも一例として、好みに合わせて調整してください。
材料(4人分の目安)
基本の材料は次のとおりです。
| 材料 | 分量の目安 |
|---|---|
| するめいか(乾燥) | 1枚 |
| 昆布 | 60cmほど |
| 数の子(塩漬け) | 2〜3本 |
| 醤油 | 1カップ |
| みりん | 大さじ3〜5 |
| 酒 | 大さじ3〜5 |
| 塩 | 少々 |
| 柚子の皮 | 少々(仕上げ用) |
お好みで、にんじんの千切りを加えると、彩りと甘みが増します。大根やかぶの千切りを加える作り方もあります。
するめと昆布を細切りにする作業が手間に感じられるときは、市販の細切りタイプが便利です。コンビニやスーパーのおつまみ売り場にある「するめそうめん」のような細いするめを使えば、切る手間が省けます。
昆布も、市販の細切りを使えます。おつまみ昆布のような薄いものを使うときは、酒を含ませたガーゼなどで軽く拭いてから細切りにするとよいでしょう。
年末には、細切りのするめと昆布がセットになった「松前漬けセット」も店頭に並びます。時間がないときは、こうしたセットを使うのも一つの方法です。
手順:切り方・漬け込み・味の整え方
作り方は、次の流れです。ポイントを押さえれば、初めてでも落ち着いて進められます。
- 数の子の塩出しをする:前の晩から薄い塩水につけておきます。塩気が抜けたら薄皮をむき、水気を切って、食べやすい大きさに切るか、細かくほぐします。
- するめと昆布を切る:乾燥した状態のまま、表面を酒を含ませた布やキッチンペーパーで軽く拭き、ほこりを取ります。調理ばさみで細切りにします。するめは繊維に沿って切るのがコツです。
- 調味液を作る:醤油、みりん、酒、塩を合わせます。みりんと酒のアルコール分が気になるときは、小鍋でひと煮立ちさせてから冷まします。
- 漬け込む:清潔な容器に、するめ、昆布、数の子、にんじんなどを入れ、冷ました調味液を加えて混ぜます。冷蔵庫に入れて漬け込みます。
- ときどき混ぜる:1日1回ほど、容器を振るか清潔な箸で混ぜます。味が全体に行き渡ります。
- 盛りつける:器に盛り、柚子の皮のみじん切りを添えて完成です。
するめの切り方には、コツがあります。繊維を断ち切るように切ると、歯ごたえが弱くなり、食感も落ちてしまいます。
そのため、繊維に沿って細切りにするのがおすすめです。かみごたえのある松前漬けらしい仕上がりになります。
昔ながらの作り方では、するめと調味液をもみ込む方法もあります。するめが泡立つくらいまでもみ込んでから、昆布と数の子を加えて漬け込みます。
味の整え方も覚えておくと安心です。同じ分量で作っても、昆布やするめの塩分の違いで、味が濃くなったり薄くなったりすることがあります。
- 味を薄くしたいとき:酒を煮切って冷ましたものを加えます。
- 味を濃くしたいとき:醤油を加えます。
- 甘みを足したいとき:みりんを煮切って冷ましたものを加えます。
お酒やみりんを足すときは、必ず煮切ってから加えましょう。調味液を足した直後は味がなじんでいないので、ひと晩置いてからもう一度味見をします。
▶ 動画で確認:プロの板前が教える数の子の塩ぬきと漬け方
板前歴38年の料理人が、数の子の塩ぬきを要に、昆布とするめを合わせた松前漬けの作り方を実演する動画です。塩出しから漬け込みまでの流れを目で追えるので、手順の節に置きます。
出典:板さんの料理塾「イチバン重要な塩ぬき「数の子 松前漬け」の作り方とカルディ「カズチー 風」の作り方」(YouTube・約10分)
食べごろはいつ?失敗しやすいポイント
食べごろは、漬けてから2〜3日後が目安です。漬けた直後は、するめも昆布も硬く、にんじんもシャキシャキしています。
日がたつと、にんじんがしんなりして、するめや昆布がふっくらと戻ります。昆布の成分が溶け出して粘りが出て、調味液のカドが取れ、まろやかな味になります。
板状のするめを切って使う場合は、厚みがあるため、やわらかくなるまでに少なくとも2日ほどかかります。数の子を入れる昔ながらの作り方では、1週間ほど漬け込む方法もあります。
お正月に出したいときは、逆算して仕込みましょう。食卓に出す日の1週間くらい前に漬け始めれば、余裕をもって味を確かめられます。
失敗しやすいポイントも、あらかじめ知っておくと安心です。
- 味が濃すぎる・薄すぎる:塩分は材料によって違います。漬け込み後に味見をして、先ほどの方法で調整します。
- するめが硬いまま:太く切りすぎたか、漬ける時間が足りないことが考えられます。細く切り、もう1日置いて様子を見ましょう。
- 食感が悪い:するめの繊維を断ち切っていないか、確認します。次回は繊維に沿って切ります。
- 味が偏る:混ぜる回数が少ないと、味にムラが出ます。1日1回は混ぜましょう。
早く作るために、乾物をゆでて作るレシピもあります。ただし、昆布の粘りやするめのうま味が抜けて、本来の味わいにならないともいわれます。時間をかけて漬け込むほうが、松前漬けらしい深みが出ます。
保存方法と日持ち:冷蔵・冷凍の目安
手作りの松前漬けは、冷蔵で2週間ほどが日持ちの目安です。ただし、保存環境で変わるので、あくまでも目安として考えてください。
長持ちさせるには、清潔に扱うことが欠かせません。保存状態をよくするポイントは、次のとおりです。
- 清潔な保存容器を使う(熱湯や消毒用のお酒などで容器を整えておくと安心です)。
- 取り出すときは、必ず清潔な箸を使う。
- 味を薄くしすぎない。醤油を減らしすぎると、傷む原因になります。
- 冷蔵庫の中で保存し、常温に長く置かない。
食べるときに、においや見た目に異変を感じたら、無理に食べないようにしてください。保存期間はあくまでも目安です。
食べきれないときは、冷凍保存もできます。ジッパー付きの保存袋に入れて空気を抜き、平らにして冷凍庫へ入れます。冷凍での保存期間は、2か月ほどが目安です。
食べるときは、冷蔵庫でゆっくり解凍します。小分けにして凍らせておくと、必要な分だけ取り出せて便利です。
保存の目安を表にまとめます。
| 保存方法 | 日持ちの目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 冷蔵 | 2週間ほど | 清潔な容器と箸を使い、ときどき混ぜる |
| 冷凍 | 2か月ほど | 保存袋に入れて空気を抜く。冷蔵庫で解凍する |
市販品を買った場合は、パッケージの表示が最優先です。保存方法や消費期限・賞味期限は商品によって異なります。開封後は、表示の指示に従って早めに食べきりましょう。
お正月に向けて、少し多めに作った場合の使い分けも考えてみましょう。三が日に食べる分は冷蔵に、後日に楽しむ分は小分けにして冷凍すると、無理なく食べきれます。
そのまま食べる以外の楽しみ方・アレンジ
松前漬けは、そのままでもおいしい料理ですが、ほかの食材と組み合わせるとさらに楽しみが広がります。お正月が過ぎて余ったときにも役立ちます。
一般的な食べ方は、ごはんのおかずやお酒のつまみです。そこに、ひと工夫加えると、和食だけでなく洋食にも使えます。パスタ、お茶漬け、オムレツなどに使う例もあります。
松前漬けは味がしっかりついているので、調味料を足さずに使えるのも便利な点です。味を見ながら、少しずつ加えましょう。
冷奴・納豆・うどん・パスタなど
手軽に試せるアレンジを紹介します。
- 冷奴にのせる:食べやすい大きさに切った松前漬けを、絹ごし豆腐にのせるだけです。木の芽を飾ると、見た目も上品になります。
- 納豆に混ぜる:数の子のコリコリした食感が、納豆のねばねばにアクセントを添えます。
- うどんにかける:ゆでたうどんに、松前漬け、ねぎ、揚げ玉、卵などをのせます。濃いめの味つけが、そのままつゆの代わりになります。
- 和風パスタにする:にんにくとオリーブオイルで香りを出し、ゆでたパスタと松前漬けを和えると、和風ペペロンチーノ風になります。
- お茶漬けにする:ごはんに松前漬けをのせ、温かいお茶やだしをかけます。
- オムレツの具にする:卵に包むと、うま味のある一品になります。
どのアレンジも、松前漬けの量は少なめから始めるのがコツです。味が濃いめなので、加えすぎるとしょっぱくなります。
家族の好みに合わせて、組み合わせを変えてみてください。子どもには冷奴、大人にはお酒のつまみ、といった使い分けもできます。
漬け汁を隠し味に使う
松前漬けの漬け汁には、昆布やするめのうま味が溶け出しています。この漬け汁を、だしのように隠し味として使う方法があります。
たとえば、煮物やおひたしの味つけ、炒め物のひと振りなどに、少量だけ加えます。醤油の代わりに使うイメージです。
漬け汁は塩分が高めです。使うときは少しずつ加え、味見をしながら調整しましょう。
松前漬けを食べ終えたあとの汁を捨ててしまうのはもったいないと感じる方は、一度試してみてください。清潔な容器で保存していた漬け汁を使うことが前提です。
買うなら?お正月用の松前漬けの選び方

自分で作る時間がないときや、まず味を試したいときは、買うのも一つの方法です。松前漬けは、デパートの食品売り場、スーパー、道の駅、物産展、通信販売など、さまざまな場所で販売されています。
種類が多く、どれを選べばよいか迷いやすいのも事実です。ここでは、特定の商品ではなく、選ぶときの考え方を整理します。
見るポイントは「中身のタイプ」「家庭の人数と使い方」「購入方法」の3つです。順番に確認すれば、迷う時間を減らせます。
数の子入り・いか中心・具材入りの違い
松前漬けは、中身によって大きく3つのタイプに分けられます。
| タイプ | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 数の子入り | 数の子のコリコリ感があり、縁起食としてお正月向き | おせちの一品、お正月の来客、贈り物 |
| いか中心 | するめいかと昆布が主役。かみごたえとうま味が楽しめる | 普段使い、ごはんのおかず、アレンジ料理 |
| 具材入り | ほたて、わさび菜、あわび、山菜などを加えた変わり種 | 味の違いを楽しみたいとき、食べ比べ |
お正月らしさを重視するなら、数の子入りが定番です。数の子が高価になった今は、数の子の量が控えめなものから、たっぷり入ったものまで幅があります。
いか中心のタイプは、数の子が少ない分、するめと昆布の風味がしっかり味わえます。普段のおかずとして使いやすく、アレンジにも向いています。
具材入りは、味のバリエーションが豊富です。お店ごとに塩味や醤油味など味つけも違うので、家族の好みに合うものを探す楽しみがあります。
家庭の人数や使い方別の選び方チェックリスト
次のチェックリストで、自分の家庭に合うタイプを考えてみましょう。
- □ お正月のおせちの一品として出したい → 数の子入りを中心に探す
- □ 子どもや高齢の家族がいて、かたい食感が心配 → 細かく切られたものを選ぶ、または食べやすく切り直して出す
- □ 少人数で、食べきれるか心配 → 小容量のものを選ぶ
- □ 来客が多い・親戚が集まる → 大きめの容量や、複数のタイプを少しずつ用意する
- □ お酒のつまみとして楽しみたい → 味が濃いめのもの、変わり種の具材入りも候補に
- □ アレンジ料理に使いたい → いか中心のタイプで、普段使いしやすいものを選ぶ
- □ 贈り物にしたい → 化粧箱入りなど、見栄えのよいものを選ぶ
量の目安は、小鉢に少量ずつ取り分けることを基準に考えるとよいでしょう。おせちの一品なら少量で足ります。ごはんのおかずやアレンジにも使うなら、やや多めが安心です。
迷ったときは、お正月用は数の子入りを少なめに、普段使いはいか中心を多めにと分けて買うと、無駄なく楽しめます。
保存の面も大切です。買った分を食べきれるかどうかを、冷蔵・冷凍の日持ちの目安とあわせて考えると、買いすぎを防げます。
お取り寄せ・キットを選ぶときの見るポイント
通信販売でのお取り寄せや、手作りキットを選ぶときは、商品ページや表示を落ち着いて確認しましょう。見るポイントを整理します。
- 原材料:数の子、するめ、昆布のほか、どんな具材が入っているかを確認します。アレルギーのある方は、原材料の表示をよく見ましょう。
- 味つけ:醤油味か、塩味(白造りなど)かを確認します。家族の好みに合わせます。
- 容量:家族の人数と食べる日数に合う量かを見ます。
- 保存方法と期限:冷蔵か冷凍か、賞味期限・消費期限はいつかを確認します。お正月に間に合うか、受け取り後すぐに保存できるかも大切です。
- 届く時期:年末は注文が集中しやすい時期です。お届け日の指定ができるか、早めの注文が必要かを確認しましょう。
- キットの内容:細切りのするめと昆布がセットになったものが一般的です。調味料や数の子が含まれるか、自分で用意するものは何かを確認します。
キットは、切る手間が省けて、家庭で手軽に作れるのが魅力です。ただし、調味液や数の子を別に用意する必要がある場合もあります。
手作りとお取り寄せの使い分けも、考えてみてください。初めてなら、まずは少量のキットで作ってみて、お正月本番は数の子入りを買い足す方法もあります。
年末は注文や配送が混み合いやすいので、余裕をもって準備しておくと安心です。届いたら、表示に従ってすぐに冷蔵庫か冷凍庫へ入れましょう。
松前漬けは、北海道の暮らしの知恵から生まれ、いまも全国の食卓で愛されている料理です。由来や作り方を知ると、お正月の一品にも少し特別な意味が加わります。
ご家庭の人数や好みに合わせて、手作りでも市販品でも、無理のない形で用意してみてください。おいしい松前漬けが、お正月の食卓をにぎやかにしてくれるはずです。
