子どもと公園を走っていて、「今どのくらいのスピードが出ているんだろう」と思ったことはありませんか。

時速でいうと、大人の軽いジョギングがだいたい時速8〜10km、小学生が50mを全力で走ると一瞬だけ時速18〜20kmに届きます。ただ、数字だけ見てもピンときません。そこで「その速さで動いている生き物」に置きかえてみると、急に想像しやすくなります。

公園を走る女の子
「今の走り、ニワトリと同じ速さだったよ」と言えると、走るのが少し楽しくなります

この記事では、時速8〜16kmで動く生き物を、写真と実際に動いている動画つきで遅い順に並べました。走ったあとの会話のネタにも、自由研究のヒントにもなります。

数字の読み方について
動物の速さは、測り方(野生か飼育か、一瞬の最高速か、ふだんの移動速度か)によって数字が変わります。この記事の数値は、記事末に挙げた出典をもとにしたおよその目安です(2026年9月6日確認)。

時速8〜16kmで動く生き物の一覧

まず全体を表にまとめます。上から遅い順です。

速さ(およそ) 生き物 どんな場面の速さか
時速7km ゾウ ふだん歩いているとき
時速8km マナティー ふだん泳いでいるとき
時速8km シロナガスクジラ ふだんの移動(巡航)
時速8km キングペンギン 泳ぐときの最高速
時速9km ラッコ 泳ぐときの最高速
時速10km ホッキョクグマ 泳ぐとき
時速10km アオウミガメ 速めに泳ぐとき(ふだんは時速2〜4km)
時速5〜10km シャチ ふだんの移動(狩りのときは時速55kmまで)
時速13km ハツカネズミ 全力で走るとき
時速14km ニワトリ 走るとき(平均)
時速15km コウテイペンギン 泳ぐときの最高速
時速17km ワニ(オーストラリアの淡水ワニ) 陸を全力で走るとき
時速18km ブタ 全力で走るとき

ここから1種類ずつ、写真と動画つきで見ていきます。

時速7〜8km:ゾウ、マナティー、シロナガスクジラ

「大きい生き物ほどゆっくり」というイメージどおりの帯です。大人が早歩きするのと同じくらい、と考えるとちょうど合います。

ゾウ(歩き)── 時速約7km

サバンナを歩くアフリカゾウの群れ
サバンナを歩くアフリカゾウの群れ

ゾウがふだん歩く速さは時速7km前後です。大人が少し急いで歩くくらいの速さで、あの巨体が静かに移動していきます。

ちなみにゾウは、急いでいるときでも人間のように両足が同時に地面から離れる瞬間がなく、厳密には「とても速く歩いている」状態だと言われています。それでも本気を出せば時速25kmほど出るので、走って逃げ切るのは無理です。

▲ ゾウの歩き方を解説した動画(HERD Elephant Orphanage South Africa)

マナティー ── 時速約8km

水中を泳ぐアフリカマナティー
水中をゆっくり泳ぐアフリカマナティー

「人魚のモデル」とも言われるマナティーは、ふだん時速8kmほどでゆったり泳いでいます。大人の軽いジョギングと同じ速さです。

短い距離なら時速25〜30kmまで出せますが、ほとんどの時間は水草を食べながらのんびり漂っています。

▲ マナティーと一緒に泳ぐ様子(VISIT FLORIDA)

シロナガスクジラ(巡航)── 時速約8km

海面に浮上したザトウクジラ
海面に浮上したクジラ。写真は近い仲間のザトウクジラです

体長30mにもなる地球最大の動物、シロナガスクジラも、ふだん泳いでいる速さは時速8kmほどです。これも軽いジョギングと同じくらい。

ただし本気で泳げば時速30km以上まで加速できます。あれだけ大きな体が、ふだんは子どもと一緒に走るくらいのペースで海を移動していると考えると、少し不思議な気持ちになります。

▲ シロナガスクジラの横を人が泳ぐ様子(ABC News)

時速9〜10km:ラッコ、ホッキョクグマ

大人がジョギングする速さと、ちょうど重なる帯です。

ラッコ ── 時速約9km

水面に浮かんで泳ぐラッコ
水面に浮かんで泳ぐラッコ

お腹の上で貝を割る姿でおなじみのラッコは、泳ぎの最高速が時速9kmです。水族館で見ているとすばしっこく見えますが、実際の速さは大人のジョギングと同じくらいでした。

▲ 水槽を泳ぎ回るラッコ(Monterey Bay Aquarium)

ホッキョクグマ(泳ぎ)── 時速約10km

水中を泳ぐホッキョクグマ
水中を泳ぐホッキョクグマ

ホッキョクグマは泳ぎが得意で、水中では時速10kmほど出ます。何日も泳ぎ続けて数百km移動した記録もあります。

陸の上では時速30kmまで出るので、水より陸のほうが3倍速いことになります。

▲ 冷たい海を泳ぐホッキョクグマ(BBC Studios / Planet Earth)

時速13〜15km:ハツカネズミ、ニワトリ、コウテイペンギン

ここから、フルマラソンを3時間で走るランナー(時速14.1km)と同じ速さの帯に入ります。

ハツカネズミ ── 時速約13km

草むらにいるネズミのアップ
草むらにいるネズミ

体長10cmほどのハツカネズミは、全力で走ると時速13kmに達します。体の大きさから考えると驚異的な速さで、1秒間に体の長さの12倍を進む計算です。

同じ「体の長さの12倍」を身長140cmの子どもに当てはめると、1秒で16.8m。100mを6秒で走ることになります。

▲ 野生のネズミが回し車を全力で回す様子(Science Magazine)

ニワトリ ── 時速約14km

牧草地に立つ茶色いニワトリ
牧草地に立つニワトリ

ニワトリが走る速さは平均で時速14kmほど。品種や体格によっては、瞬間的にもっと速く走る個体もいます。

これはフルマラソンを3時間で走るランナーと同じ速さです。ただしニワトリはこの速さを数十秒しか続けられないので、長い距離なら人間の勝ちです。

▲ こちらへ全力で走ってくるニワトリたち(jaywontdart)

コウテイペンギン(泳ぎ)── 最高で時速約15km

水中を泳ぐペンギン3羽
水中を泳ぐペンギン。写真はフンボルトペンギンです

ペンギンの中で最も泳ぎが速いのがコウテイペンギンで、最高時速15kmほど。ふだんは時速6〜9kmで泳いでいます。

氷の上へ飛び上がるときには一気に加速するので、その瞬間だけを切り取るともっと速く見えます。

▲ 水中で加速して氷上へ飛び出すコウテイペンギン(National Geographic)

時速16〜18km:ワニ、ブタ

この記事の上限、そして家庭用ルームランナーの上限とも重なる帯です。

ワニ ── 時速約17km

水辺の草の上で休むワニ
水辺の草の上にいるワニ

オーストラリアに住む淡水ワニは、陸の上を犬のように跳ねて走る「ギャロップ」ができ、時速17kmという記録が残っています。ギネス世界記録に認定されている数字です。

ただし続けられるのは数秒だけ。ワニに追いかけられても、まっすぐ全力で走れば人間でも振り切れると言われています。

▲ ワニがギャロップで走る様子(EDGE Science)

ブタ ── 時速約18km

牧草地を走るブタ
牧草地を走るブタ

家畜のブタの最高速は時速18kmほど。しかも数歩でトップスピードに達する短距離型です。

「ブタは走るのが遅い」というイメージは間違いで、実際にはニワトリより速く、小学生の50m走ともほぼ互角です。

▲ 一斉に走り出すブタたち(Barn Sanctuary)

人間の速さはどのくらい?

比べる基準として、人間の速さも並べておきます。

速さ どんな場面
時速4〜5km 大人がふつうに歩く
時速6〜7km 早歩き
時速8〜10km 軽いジョギング
時速10.6km フルマラソンを4時間で完走するペース
時速14.1km フルマラソンを3時間で完走するペース
時速20km 小学生が50mを9秒で走ったとき
時速37.6km 100m走の世界記録(9秒58)の平均速度

つまりジョギングをしている大人は、マナティーやシロナガスクジラと同じ速さで動いていることになります。

50m走のタイムを時速に直すと

子どもの記録を動物と比べたいときは、この表が使えます。

50m走のタイム 時速 同じ速さの生き物
8秒0 時速22.5km ブタより速い
9秒0 時速20.0km リス(時速20km)と同じ
10秒0 時速18.0km ブタと同じ
11秒0 時速16.4km ワニ(時速17km)とほぼ同じ
12秒0 時速15.0km コウテイペンギンの最高速と同じ
13秒0 時速13.8km ニワトリと同じ

50m走のタイムがわかっていれば、「180 ÷ タイム(秒)」でおよその時速が出ます。12秒なら180÷12で時速15kmです。運動会の記録が出たら計算してみてください。

陸に「時速8〜16km」の動物は意外と少ない

ここまで並べて気づくのは、この速さの帯には海の生き物が多いということです。

陸の動物は、追う側も逃げる側も生き残りがかかっているため、本気を出すと時速30km以上出る種が多くなります。逆にゆっくりな動物は時速5km以下でのんびり歩きます。時速8〜16kmという「中くらいの速さ」は、陸ではむしろ珍しいのです。

いっぽう海の生き物は、水の抵抗があるため、ふだんの移動速度が自然とこの帯に収まります。マナティー、クジラ、ホッキョクグマ、ペンギンがそろってここに入るのはそのためです。

そして人間は、この中くらいの速さを何十分も続けられるという、動物界ではかなり変わった特徴を持っています。ニワトリは時速14kmを数十秒しか保てませんが、人間は同じ速さでフルマラソンを走り切れます。走るのが遅いように見えて、「長く走る」能力ではかなり上位なのです。

ルームランナーなら、動物と競走できる

家にルームランナー(ランニングマシン)があれば、この記事の生き物と速さを合わせて走ってみることができます。速度が数字で表示されるので、外を走るより体感しやすいはずです。

設定速度 並んで走れる生き物
8km/h マナティー、シロナガスクジラ
10km/h ホッキョクグマ(泳ぎ)
13km/h ハツカネズミ
14km/h ニワトリ
15km/h コウテイペンギン
16km/h ワニ(あと一歩で追いつく)

家庭用ルームランナーは最高速度16km/hの機種が多いので、ちょうどワニまでが射程内、ブタには届かないという作りになっています。「今日はニワトリまで行けた」と目標を決めると、単調になりがちな室内ランも続けやすくなります。

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最高速度16km/hの家庭用ルームランナーの選び方・使い方・メンテナンス方法はこちらにまとめています。
BTMルームランナーの使い方とメンテナンス完全ガイド|プログラム・注油頻度・耐久性

まとめ

  • 時速8kmはマナティーとシロナガスクジラのふだんの速さ。軽いジョギングと同じ
  • 時速10kmは泳ぐホッキョクグマ。フルマラソン4時間ペースもこのあたり
  • 時速13〜14kmはハツカネズミとニワトリ。フルマラソン3時間ペースと同じ
  • 時速17〜18kmはワニとブタ。小学生の50m走(10〜11秒)とほぼ互角
  • 50m走のタイムは「180÷タイム」で時速に直せる
  • 時速8〜16kmは陸の動物には少ない帯で、この速さを長く続けられるのは人間の得意技

走ったあとに「今のはニワトリくらいだったね」と話せると、記録の数字が急に身近になります。次に公園を走るときは、どの生き物に追いつけるか意識してみてください。

この記事の出典