雛人形を買う前に知りたいこと|時期・誰が・種類・サイズ・相場

雛人形を買う前に知りたいこと|時期・誰が・種類・サイズ・相場 その他

雛人形選びの全体像:買う前に決めておく順番

雛人形選びは「時期・誰が・種類・サイズ・予算」の順に決めていくと、迷いにくくなります。先に飾る場所と家族の相談を済ませておくと、売り場で慌てずに済みます。

雛人形は桃の節句(3月3日)に、女の子の健やかな成長と幸せを願って飾るお祝いの人形です。初めての女の子の初節句では、パパ・ママも祖父母も、何から決めればよいのか戸惑うことが多いものです。

この記事では、購入時期、誰が買うのか、種類の違い、サイズと置き場所、相場、飾る時期、収納、おさがりの考え方までを順番にまとめました。最後にチェックリストも用意しています。

雛人形は職人が手作りする伝統工芸品で、大量生産ができません。そのため、時期や種類を早めに家族で話し合っておくことが、満足のいく一飾りに出会う近道になります。

▶ 動画で確認:人形店三代目が語る選び方のコツ

創業1914年の人形問屋の三代目が、お顔を軸に雛人形を選ぶ方法を5分で話します。順番に決めていく全体像の節で、実際に選ぶ段階のヒントとして添えます。

出典:三代目 人形屋 kureチャンネル「【5分で解説】人形屋の三代目 が語るお雛さまの選び方のコツ」(YouTube・約5分)

家族で決めることは「時期・誰が・種類・サイズ・予算」の5つ

購入前に家族で決めておきたいことは、次の5つです。

  • 時期:いつ買い、いつ飾るか
  • 誰が:費用を誰が負担し、誰が選ぶか
  • 種類:段飾り、親王飾り、収納飾り、ケース飾りのどれにするか
  • サイズ:飾る場所としまう場所に収まるか
  • 予算:いくらまでにするか

この5つは互いにつながっています。たとえば、飾れる場所が小さければ種類が絞られ、種類が絞られれば予算の幅も見えてきます。

おすすめの順番は、まず夫婦で「飾る場所」と「予算の上限」を決め、そのうえで祖父母に相談する流れです。先に条件が整理されていると、話し合いがスムーズに進みます。

反対に、気に入った人形を先に決めてから置く場所を探すと、「大きすぎて飾れない」という後悔につながりやすくなります。サイズの確認は、できるだけ早い段階で済ませましょう。

生まれ月で変わる、今年の初節句に間に合わせるか翌年にするかの判断

初節句は、生まれて初めて迎える3月3日です。赤ちゃんの生まれ月によって、準備にかけられる時間が大きく変わります。

生まれ月 初節句の目安 考え方
4月〜11月生まれ 翌年の3月3日 秋から余裕をもって準備を始められます
12月〜1月生まれ 生後数週間〜数か月で迎える、または翌年に回す 産後の体調を優先し、翌年への繰り越しも立派な選択です
2月生まれ 当年か翌年かを判断 慌ただしくなりそうなら翌年にゆっくり選びます

早生まれの場合、産後間もないママの体調や新生児のお世話で手一杯になりがちです。無理をして準備を急ぐ必要はありません。

「今年はシンプルにお祝いして、雛人形は翌年にゆっくり選ぶ」というご家庭も多く、これは決して手抜きではありません。赤ちゃんとママの体調を最優先にして判断しましょう。

雛人形はいつまでに買う?購入時期の目安

雛人形を「いつまでに買わなければならない」という厳格なルールはありません。ただ、古くからの慣習として、初節句までに用意するスタイルが広く根付いています。

実際の選びやすさを考えると、12月〜2月上旬がひとつの目安です。この時期は品揃えが豊富で、じっくり比較できます。

子どもが生まれたら、なるべく早めに選び始めるのがおすすめです。雛人形は手作りで製作されるため、顔立ちや着物の柄が一つひとつ違い、早く動くほど好みのものに出会いやすくなります。

以下の表で、購入時期ごとの特徴を整理しました。

時期 販売・在庫の状況
10〜12月 予約の受付が始まり、人気商品を確保しやすい時期
1月 新作がそろい、購入する人が増える。人気の品から売り切れ始める
1月下旬〜2月上旬 選択肢が少しずつ絞られる
2月中旬以降 売れ筋から完売が進む
3月以降 多くの商品が完売しやすく、翌年に向けた準備に切り替える考え方もある

品揃えが豊富な12月〜2月上旬が狙い目

12月〜2月上旬は、各メーカーの新作がそろい、品揃えが年間でもっとも充実する時期です。人気の商品でも在庫があり、じっくり比べながら選べます。

百貨店などに雛人形がもっとも多く並ぶのは、1月から2月中旬ごろまでと言われています。この期間であれば、たくさんの種類の中から好みの一飾りを選べます。

こだわりをもって選びたい場合は、節句人形の専門店を訪ねるのもよい方法です。専門店は早い時期から品揃えが豊富で、好みの雛人形に出会える可能性が高まります。

10月ごろから検討を始めるのもおすすめです。気になる商品があれば、早めに在庫を確認しておくと安心できます。

2月中旬以降は完売が増える理由

2月中旬に入ると購入する人が一気に増え、売れ筋のお人形から順に完売していきます。

理由は、雛人形の多くが職人による計画生産だからです。衣裳、顔、小道具、屏風、飾り台などを専門の職人が分業でつくるため、売り切れても追加で製造できないケースがほとんどです。

「気に入ったものを確実に手に入れたい」なら、2月上旬までに動き出すのが安心です。

もし2月下旬以降に希望の人形が見つからない場合は、妥協して購入するよりも、今年は簡単なお祝いにとどめて翌年に選び直す方法もあります。長い目で見て、満足度が高くなることもあります。

POINT 購入のねらい目は12月〜2月上旬です。早生まれの場合は、翌年への繰り越しも前向きな選択肢です。

雛人形は誰が買う?母方の祖父母・両家折半・両親の場合

雛人形は誰が買う?母方の祖父母・両家折半・両親の場合

雛人形を誰が買うかについて、「こうしなければならない」という決まりはありません。慣習はありますが、現在はご家庭ごとに自由なスタイルが広がっています。

年中行事の作法は、住んでいる地方や家々で微妙に異なります。そのため、父方・母方の実家で意見が食い違うことも珍しくありません。

大切なのは、子どもの成長を祈るお祝いが、家族の間のトラブルのもとにならないようにすることです。早めに、和やかに話し合っておきましょう。

雛人形は誰が贈るのが一般的とされてきたのか

古くからの慣習では、初節句の雛人形は母方の祖父母(ママの実家)が用意するのが一般的とされてきました。

ただし、現代ではこの慣習にこだわらないご家庭が増えています。選び方の例には、次のようなものがあります。

  • 母方の祖父母が贈る
  • 父方の祖父母が贈る
  • 両家で費用を折半する
  • パパとママが自分たちで購入する

どれが正解ということはありません。家族の状況や気持ちに合った形を選んで大丈夫です。

実際に買いに行く人についても決まりはなく、最近は子どもの両親、特にママが中心となって選ぶ傾向があります。ママの多くは、自分が幼いころに買ってもらったように、娘にも雛人形を贈りたいという気持ちを持っているものです。

住宅事情に合わないサイズを避けるため、あらかじめ飾る場所を決めたうえで、両親と祖父母が一緒に店頭を訪れて選ぶ例も増えているようです。

お金を出すからといって、どちらかが強く意見を主張すると、しこりが残ることがあります。子どもに関することは、まず子どもの両親が考えるものと心得て、祖父母は見守る姿勢で相談に加わるとうまくいきやすくなります。

両家で折半するときの相談の進め方

両家で費用を分担する場合は、相談の順番がポイントです。まず夫婦の間で「どんなタイプの雛人形にするか」「予算の上限はいくらか」を決めてから、それぞれの実家に相談します。

先に金額の目安を決めておけば、どちらかの祖父母に過度な負担がかかる事態を防げます。

相談のタイミングは、秋から冬(11月〜1月ごろ)が理想的です。購入のピークを前に、余裕をもって話し合えます。

相談の進め方を、手順にまとめました。

  1. 夫婦で、飾る場所の広さと予算の上限を決める
  2. 希望する種類(親王飾り、収納飾り、ケース飾りなど)の候補をいくつか絞る
  3. それぞれの実家へ、候補と予算の考え方を伝える
  4. 費用の分担と、贈る・渡すタイミングを決める
  5. 可能であれば、一緒に店頭で実物を見て選ぶ

祖父母の立場で贈る場合も、一方的に決めずに、パパ・ママの状況に合わせて相談するのがおすすめです。渡す日は、ひな祭りの前や当日に会ったときなど、家庭によってさまざまです。

雛人形の種類と違い:段飾り・親王飾り・収納飾り・ケース飾り

雛人形にはさまざまな種類があり、住まいや好みに合わせて選べます。代表的なのは、段飾り、親王飾り、収納飾り、ケース飾りの4つです。

種類ごとに、飾るために必要な広さ、出し入れの手間、しまう場所の取り方が変わります。見た目の好みだけでなく、暮らし方に合うかどうかも考えて選びましょう。

種類 特徴 向いている家庭
段飾り 段に緋毛せんをかけ、人形や道具を並べる華やかな飾り 飾る場所と収納に余裕がある家庭
親王飾り 男雛と女雛のペアに、屏風などの道具を添える 省スペースで本格的な一式を選びたい家庭
収納飾り 飾り台の中に人形や道具がすべて収納できる しまう場所を節約したい家庭
ケース飾り ケースに人形が固定され、出し入れが簡単 手間やほこりが気になる家庭

▶ 動画で確認:売り場で見る雛人形の種類と選び方

アカチャンホンポが、親王収納飾り・三段五人飾り・親王飾り・ケース飾り・木目込人形の特徴を実物で順に紹介する動画です。段飾りから収納飾りまでの違いを見比べたい読者に向けて、種類の節に置きます。

出典:アカチャンホンポ「【雛人形】購入前に知ってほしい!雛人形の種類と選び方のポイント」(YouTube・約5分)

段飾り(三段・五段・七段)の特徴

段飾りは、段に赤い布(緋毛せん)をかけ、その上に雛人形をのせて飾るスタイルです。木製の段に飾るタイプもあります。

段が増えるほど人形や道具の数が増え、存在感のある豪華な雰囲気になります。七段飾りは特に華やかで、男雛・女雛と三人官女がそろった五人飾りは格式高い雛飾りとされています。

その分、飾る場所も、片付けたあとの収納場所も大きくなります。箱のサイズもかなり大きくなるため、購入前に置き場所としまう場所の両方を確認することが欠かせません。

住まいに余裕があり、ひな祭りをにぎやかに祝いたいご家庭に向いています。

親王飾りの特徴

親王飾りは、「殿(男雛)」と「姫(女雛)」の2体がペアになった雛人形です。一般的に殿と姫を中心に、屏風、雪洞、三宝、菱台、桜橘などの道具を飾ります。

置き場所をとりにくく、現代の住まいに合わせやすいため、人気のあるスタイルです。段飾りと比べて価格も抑えやすい傾向があります。

屏風やお道具にこだわった一式のものも多く、シンプルでも本格的な雰囲気を楽しめます。はじめての雛人形選びで、迷ったときの有力な候補になります。

収納飾りとケース飾りの特徴

収納飾りは、お人形、屏風、雪洞、お道具などが、飾り台の中に一式しまえる雛人形です。ワンパッケージになっているのが特徴で、しまう場所に困りにくくなります。なお、一部収納できない飾りがある場合もあるため、確認しておきましょう。

ケース飾りは、お人形やお道具がガラスやアクリル製のケースの中に固定されているタイプです。飾り付けも片付けも簡単で、ほこりからも守りやすいのが利点です。

どちらも手間が少なく、忙しい子育て世帯に向いています。購入前に確認したいのは、素材の扱いやすさです。軽いアルミ素材やアクリルガラスのケースなど、持ち運びやすさも見ておくと安心です。

ケースの中の人形は固定されているため、配置を自分で変える楽しみは少なめです。一方で、設置のしやすさは大きな魅力です。

木目込み人形と衣裳着人形の違い

雛人形は、人形のつくり方によっても「木目込み人形」と「衣裳着人形」に分けられます。

木目込み人形は、木製の胴体に溝を彫り、その溝に布地の端を埋め込んで衣裳を表現します。溝に布地を「木目込む(きめこむ)」ことから、この名前がついています。造形的な仕上がりが特徴で、すっきりとまとまった印象になります。

衣裳着人形は、着物を人形に着せつけるつくりで、重なりのある華やかな衣裳が楽しめます。衣裳着人形は、木目込み人形より細かい技術が必要とされ、職人の手間が価格に反映されやすいと言われています。

どちらが優れているということはなく、好みで選んで問題ありません。実物のお顔立ちや雰囲気を店頭で見比べると、決めやすくなります。

POINT 種類選びは「飾る広さ」と「しまう広さ」から考えると失敗しにくくなります。見た目の好みはそのあとで絞り込みましょう。

飾るサイズと置き場所の決め方

飾るサイズと置き場所の決め方

雛人形選びでもっとも多い後悔が、サイズのミスマッチです。

特に都市部のマンションなど、住宅事情によっては大きな段飾りが難しいこともあります。購入前に、飾る場所を先に決めておきましょう。

写真で見るよりも、実物は大きく感じることが多いものです。数字で確認しておくと安心です。

幅・奥行き・高さを実測してから選ぶ

飾る予定の棚、サイドボード、テレビ台、床の間などの、幅・奥行き・高さをメジャーで実測しましょう。

確認したいポイントは次のとおりです。

  • 置く台の幅と奥行き(人形がはみ出さないか)
  • 上の棚や天井までの高さ(人形の高さが収まるか)
  • 周りに置いている物や、コンセント・家電との距離
  • 小さな子どもが手を伸ばしても届きにくい位置か
  • 日当たりがよすぎないか(色あせの心配がないか)

商品のサイズ表記は「幅×奥行×高さ」で示されていることが多く、その数字を実測値と比べます。人形の周りに少し余裕をもたせると、見た目もすっきりします。

なお、床の上に置く場合は、赤ちゃんがハイハイやつかまり立ちをする時期でもあるため、安全面にも注意が必要です。ケース入りのタイプを選ぶ家庭もあります。

サイズは必ず購入前に実測し、商品の寸法と見比べてから決めましょう。

コンパクトな雛人形の目安と選び方

省スペースで飾れるコンパクトな雛人形は、現代の住宅事情に合うことから人気があります。目安として、幅40〜59cmほどのものを「コンパクト雛人形」として扱うお店があります。

さらに小さな幅49cm以下のものや、幅30cm台のガラスケース入りの立雛など、小ぶりなサイズも見られます。購入前に、幅の目安が自分の置き場所に合っているかを確認しましょう。

コンパクトなタイプには、次のような種類があります。

  • ケース飾り:丸型や角型のケースに人形が収まり、ほこりよけにもなる
  • 収納飾り:飾り台の中に一式をしまえる
  • 小ぶりな親王飾り:屏風と道具を添えたまま、幅を抑えたもの

最近は、木のぬくもりを感じるデザインや、ナチュラルな色合い、落ち着いたトーンなど、インテリアになじみやすい雛人形も数多くあります。部屋の雰囲気に合わせて選ぶと、飾る時期以外も楽しめる気分になります。

選ぶときのコツは、「小さければよい」ではなく、「置き場所と見た目のバランスが合うか」を見ることです。小さすぎると、お祝いらしい華やかさが物足りなく感じることもあります。可能であれば実物を見て、大きさと雰囲気を確かめましょう。

置き場所の例 選び方の考え方
リビングの棚の上 幅と高さを実測し、ケース飾りやコンパクトな親王飾りから選ぶ
テレビ台の横や脇 奥行きが浅い場合が多いため、奥行きの数字を特に確認する
和室・床の間 広めに取れる場合は、収納飾りや少し大きめの親王飾りも候補になる
狭いスペース 幅を抑えたケース飾りや、ミニサイズのものを検討する

雛人形の相場と予算の決め方

雛人形の価格は、種類、サイズ、人形のつくり、作り手によって大きく変わります。まずは相場の幅を知り、そこから家族の予算を決めていきましょう。

孫に贈る雛人形の相場は、7万円〜30万円ほどと言われています。家庭によっては、雛人形の代金に祝い金を上乗せして贈る場合もあります。

金額は店舗や時期、人形のつくりによって異なるため、ここで紹介する数字はあくまで目安です。実際の価格は、購入先で確認してください。

▶ 動画で確認:職人が解説する雛人形の値段の違い

雛人形職人が、値段を左右する素材・作家・作り・周りの装飾品の4点を解説します。相場の幅が広い理由を知りたい読者のために、相場と予算の節に置きます。

出典:雛人形職人 望月たくや【人形工房 左京】「雛人形の値段の違いの理由を解説!4つのポイントを抑えて値段を見極める!」(YouTube・約23分)

種類別の価格帯の目安

種類ごとの価格帯の目安をまとめました。

種類 価格帯の目安
親王飾り・ケース入り(衣裳着人形) 3万円〜25万円ほど
親王飾り・ケース入り(木目込み人形) 3万円〜15万円ほど
親王飾り・平台飾り(衣裳着人形) 5万円〜30万円ほど
親王飾り・平台飾り(木目込み人形) 5万円〜20万円ほど
収納飾り 5万円〜20万円ほど
三段飾り 10万円〜30万円ほど
七段飾り 20万円〜100万円ほど

親王飾りは置き場所をとらず、平均的な価格帯が10万〜20万円ほどと言われています。ケース入りのタイプは、作りがシンプルなため、平台飾りよりも手に取りやすい傾向があります。

衣裳着人形は細かい技術が必要で、職人の手間が価格に反映されやすいと言われます。また、著名な作り手の手による人形は、高額になりやすいようです。

段飾りは段が増えるほど華やかになりますが、価格も大きく上がります。

▶ 動画で確認:人形店が教える作りの違いと価格差

人形店が、着物の質・着せ付け・仕立ての違いが雛人形の値段にどう響くかを実物で説明します。衣裳着人形の価格に職人の手間が反映されるという節の内容を、映像で補えます。

出典:人形のガリバー・大分「雛人形の値段の違い【人形のガリバー・大分】」(YouTube・約6分)

予算に合わせた選び方の手順

予算を軸に選ぶときは、次の手順で進めると迷いにくくなります。

  1. 祖父母も含めた家族全体で「出せる金額の上限」を確認する
  2. 飾る場所としまう場所の広さから、選べる種類を絞る
  3. 種類ごとの価格帯と照らし合わせ、候補を絞る
  4. 人形のつくり(木目込みか衣裳着か)や、お顔立ちの好みで最終候補を決める
  5. 名前旗などの付属品が別売りかどうかも含めて、総額で確認する

注意したいのは、人形本体の価格だけで決めないことです。ケースが別売りの場合や、屏風・台などが別になっている場合があります。購入前に、何が含まれた金額なのかを確認しましょう。

雛人形は一生に一度の買い物と考えて、本格的なものを贈る人もいますし、住まいに合う小ぶりなものを選ぶ人もいます。高いから良い、安いから悪いというものではありません。家族が納得できる選択が、いちばんです。

雛人形を飾る時期・片付ける時期

雛人形には、「この日から飾り始める」という明確なルールはありません。ただ、目安となる時期は昔から言われています。

雛人形は、この時期しか飾られません。お子さまのためにも、できるだけ長い期間飾ってあげるのもおすすめの考え方です。

ここでは、飾り始めの目安と、出す日・片付ける日の考え方をまとめます。

立春を過ぎたら飾り始め、遅くとも1週間前まで

飾り始めの目安は、節分の翌日の立春(2月4日ごろ)を過ぎたころから2月中旬あたりです。多くのご家庭が、立春を過ぎたころに雛人形を出し始めています。

立春以降が目安とされるのは、それ以前にお正月や節分などの行事があるためです。早めに飾っても、まったく問題はありません。

遅くとも、桃の節句(3月3日)の1週間前までには飾り終えるのがよいとされています。直前に慌てないよう、お休みの日などに余裕をもって準備しましょう。

出す日を決めるときは、次のような点を考えると選びやすくなります。

  • 家族がそろう休日を選ぶ
  • 天気がよく、湿気の少ない日を選ぶ
  • 祖父母が見に来る予定があれば、その前に飾る
  • 初節句なら、写真を撮る日に合わせて準備する

雛人形は湿気が苦手なので、晴れた乾燥した日に出し入れすると安心です。

片付けについては、ひな祭りが終わったあと、天気のよい日に早めにしまうのがよいと言われています。人形や道具の細かい部分は、やわらかい布や手袋で扱い、ほこりをやさしく払ってからしまいましょう。

地域や家庭によって習慣が異なり、片付ける時期もさまざまです。家庭で無理なくできる日を決めて、毎年同じタイミングにするとわかりやすくなります。

湿気の多い日に出し入れをしないよう注意しましょう。

雛人形の収納・保管で確認しておくこと

雛人形の収納・保管で確認しておくこと

雛人形は、飾る場所だけでなく、飾らない期間の保管場所も大切です。購入してから「しまう場所がない」と気づくと、大きな負担になります。

特に大きな段飾りは、箱のサイズも大きく、押し入れやクローゼットに入らないことがあります。事前に収納場所の広さを測っておきましょう。

収納の場所は、湿気や温度が極端に変わりにくく、直射日光が当たらない場所が望ましいとされています。人形を傷めないよう、風通しにも気を配りましょう。

収納タイプ別の置き場所の考え方

雛人形の種類ごとに、収納の考え方は異なります。

種類 収納の考え方
七段飾りなどの大型段飾り 箱がかなり大きくなる。押し入れや納戸に入るか、寸法を事前に確認する
親王飾り 人形・屏風・道具を別々に箱に入れるため、いくつかの箱の置き場所が必要
収納飾り 飾り台がそのまま収納箱になり、場所をとらない
ケース飾り ケースごと保管できるため、出し入れが簡単。ケースを置ける高さと広さが必要

収納飾りは、飾り台の中にお人形や道具がすべて収納できる、スペースを取らない雛人形です。収納に不安がある場合は、候補に入れるとよいでしょう。

ケース飾りは、お人形やお道具がケースの中に固定されているため、出し入れしやすいのが特徴です。ただし、ケースの角は傷つきやすいので、保管の際は周囲に余裕のある場所を選びましょう。

購入前のチェックとして、収納する予定の場所(押し入れ、クローゼット、納戸など)の幅・奥行き・高さを測り、商品の箱のサイズ表記と見比べておきましょう。

しまう際は、人形が動かないよう、購入時と同じ状態に戻すのが基本です。購入時の箱や緩衝材は、処分せず保管しておくと安心です。

おさがりや二人目の雛人形はどうする?

「ママが使っていた雛人形を、娘にも使ってよい?」「二人目の女の子にも、お姉ちゃんのものを使い回してよい?」という質問は多く寄せられます。

結論から言うと、使い回しを禁止する決まりがあるわけではありません。ただし、伝統的な考え方があるため、その背景を知ったうえで、家族で話し合って決めるのがおすすめです。

ここでは、おさがりや二人目の雛人形をどう考えるかを整理します。

一人に一つが推奨される理由と、引き継ぐ場合の考え方

一般社団法人日本人形協会では、雛人形は「お子さま一人ひとりの厄を引き受けるもの」という考えから、一人に一つ用意することを推奨しています。

これは、あくまで伝統的な由来にもとづく考え方です。ご家族の事情や価値観に合わせて判断すればよく、大切にしてきたお人形を引き継ぐこと自体を否定するものではありません。

引き継ぐかどうかを考えるときの視点を、場面別にまとめました。

場面 考え方の例
ママの雛人形を娘に引き継ぎたい 思い出を大切にする気持ちを尊重しつつ、状態を確認して判断する。娘の分を新しく用意する家庭もある
二人目の女の子が生まれた 一人に一つという考え方を知ったうえで、コンパクトな雛人形を新しく贈る選択もある
置き場所が限られている 姉妹それぞれの小ぶりな親王飾りやケース飾りなら、場所をとりにくい

引き継ぐ場合は、人形に傷みやほこり、湿気の影響がないかを確認し、必要に応じて専門店に相談するのも一案です。

二人目の場合、ふたり分を並べて飾る家庭もあれば、それぞれ小さめのものを選ぶ家庭もあります。コンパクトな雛人形は、場所をとらず複数飾りやすいため、選択肢として考えやすいでしょう。

祖父母が「おさがりはよくない」と強く言ったり、逆にパパ・ママが使い回しを一方的に決めたりせず、気持ちを聞き合ってください。家族が納得できる形が、いちばんです。

買う前のチェックリスト

最後に、購入前に確認したいことをまとめました。ひとつずつ確認しながら進めると、「こうしておけばよかった」という後悔を減らせます。

確認項目 チェックポイント
① 購入時期 初節句までのスケジュールを確認し、12月〜2月上旬を目安に動いているか
② 生まれ月 今年の初節句に間に合わせるか、翌年にするかを決めたか
③ 誰が買うか 夫婦で予算を決めたうえで、両家に相談したか
④ 種類 段飾り、親王飾り、収納飾り、ケース飾りのどれが暮らしに合うか
⑤ 飾る場所のサイズ 幅・奥行き・高さを実測し、商品の寸法と見比べたか
⑥ 収納・保管スペース 押し入れなどの収納場所に、箱が収まるか確認したか
⑦ 予算 人形本体のほか、ケースや付属品が含まれた総額で確認したか
⑧ 飾る日・片付ける日 立春を過ぎたころから、遅くとも1週間前までに飾る予定を立てたか
⑨ おさがり・二人目 引き継ぐか新しく用意するか、家族で話し合ったか
⑩ 購入方法 実店舗とネット、それぞれの特徴を理解して選んだか

購入方法には、実店舗とオンラインのどちらにも良さがあります。実店舗では実物の色合いや質感を確認でき、スタッフに直接相談できます。オンラインでは、時間や場所を選ばず幅広い品揃えを比べられます。

どちらか一方に絞る必要はありません。オンラインで候補を絞り、実店舗で実物を確かめるという方法も有効です。手作りの人形は、同じ型番でも多少の個体差があることも知っておくと安心です。

POINT 雛人形選びは、家族の話し合い、飾る場所としまう場所の実測、予算の確認が基本です。気持ちに余裕をもって準備を進めてください。

はじめての雛人形選びは、迷うことが多いかもしれません。この記事の順番に沿って、ひとつずつ決めていけば、きっと家族が納得できる一飾りに出会えるはずです。お子さまの健やかな成長を願いながら、楽しく準備を進めてください。